第ニ章

第5話復讐の始まり

「な、何じゃと!?」

「スカサハ様と男二人があの部屋で亡くなっておられました。」

ま、まさか、あの娘が。あの娘が、殺ったというのか?あり得ぬ。あってはならぬことじゃ。

「その部屋には、もう一人、誰かおらんかったか?」

「もう一人…ですか?いませんでしたけど…?」

ラージャが殺ったというのか。あの娘、さては、何か力を隠しておったな。許せぬ!味方には全てを教えるのが筋だろう!あの娘に目に物見せてやるわ。

「ラージャという娘の親を連れて来い!」

「はっ!」


「まずは、魔王領を取り戻さないとね。」

「そうですね。魔王軍をここに向かわせていますので、しばしお待ち下さい。」

ラージャとサーシャは、魔王城で作戦を練っていた。

「最初にラム村を落とす?」

「『王国の食糧庫』ですものね。」

「よく知ってるじゃない。」

そうなのだ。ラム村には、沢山の食糧が貯蔵されている。だが、ラム村の人間、特に女性は、多くは飢餓で死亡している。ラム村に貯蔵されている食糧は、王国の為のものであり、王国の許可なしには、食べることもできないのだ。

「サーシャ様!お戻りになられたのですね!」

そう言って現れたのは、魔王の直属の部下グリンダである。グリンダは、魔王を崇拝しており、サーシャ教という教えを布教するのが夢らしい。悟りを開かないことを祈る。

「グリンダ。呼びかけに応じてくれて、ありがとうございます。」

「いえいえ、サーシャ様の為ならば、例え火の中水の中、…地獄にだってお供します!」

「グリンダ、他の者たちは、こちらに向かっているでしょうか?」

「はい!もちろんです!3時間後、到着する予定です。」

サーシャの人望厚いな。いや、魔望か?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る