第38話 三人の王
おいおい、なんで異空間からでてこれんだよ。
もうこれじゃあ逃げる事もできないし、やるしかないのか。
「オルクスよ、貴様に一つ問いたい何故貴様が"王"の称号を持つ我々と同等の強さを持つのだ?」
「いやそれは……」
どうしようあの黄金の木について話して良いのかな。
なんか直感的によくない気がするんだよなぁ。
よしここは誤魔化そう。
「おい、聞いてるのか?」
「ふふ、奇遇だな実は俺も生まれた時からこのレベルだったんだ」
「な!そうだったのか」
「ああ」
まずいつい隠そうとするあまり言ってしまった。
さすがに疑うよな……。
「そうかならお前も実は"王"になれる素質を持つのかもな」
「……」
も、もしかして信じてるのか今の俺の言葉を。
ていうかさっきから王とか言ってるけど、どこかの国の王のこと話してるのかな?
「なぁ、さっきから"王"がどうのこうのって言ってるけどそれってなんなんだ?」
「ああそうか、お前は三人の王を知らんのだな」
「三人の王?」
三人の王ってベルグール王国やエルナス王国の王様の事言ってるのかな?
でもそれじょあ2人だし、他の国の王も足して三人って事なのかな。
「三人の王とはこの私"英雄王"アックス、"万物王"ミストレイ、そして"魔王"ラスルの三人のことを指す言葉だ」
「なんだそれ、聞いたことないぞ」
「そうか、まぁ端的に言えばこの世界にいる三人の支配者だな」
まてよそういえば昔、先生が言ってたな世界には国とは違う枠組みで統べる王達がいるって。
それがこいつらか、にしても全員がレベル900クラスとはな。
「なるほどな、それで一体その三人の王の一人が俺に何の用なんだ?」
「ああ、少し前にな魔王ラスルの部下ラキュラスから世界を破壊しようとしている輩がいると連絡があってな、それでここへ来た」
「その輩が俺ってわけか」
「そうだ」
参ったな千手を打たれてたわけか。
「信じてもらえないかもしれないけど、俺そんなこと全然考えてないですよ」
「ああそのようだな」
「え、わかるの?」
「ああ、私はギフトスキルー心身理解により、他人の考えが読める」
なるほどな、だから俺がレベルを確認しようとしてるのがわかったのか。
「じゃあ俺を排除するって話は……」
「一旦保留とする」
「おお!」
……って保留かよ。
中止ではないのか。
「まだ破壊しないと決まったというわけではないしな」
「はは、しないと思うけどね」
「だといいがな」
まぁ、はじめて会ったばっかしだからな、信用はされていないか。
でもとりあえずこれでもう襲われる事はないのかな。
「じゃあ俺行くけど、まだなんかあったりするか?」
「いやない、ただ一つだけ確認しておきたいのだが、貴様は限界点を超えるという気はあるのか?」
……限界点?
なんだそれ、よくわからないしそんな気はないな。
「いやそんなの初めて聞いたし、超える気ないな」
「そうか、ならば行け新たなる"王"となる可能性を持つ者よ」
アックスは真面目な顔つきでそう言った。
いやいやなんだよ新たなる王って、急に恥ずかしいこと言わないでもらえるかな。
「あっはは、じゃ、じゃあなアックスさん」
俺はそのままアックスを置いて城の中へ入っていった。
しっかしラキュラスの奴、面倒な事してくれたよまったく。
危うく殺されるところだったぞ。
"英雄王"アックスか覚えておこう。
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