第48話 結婚式

 今日は、オレ達の結婚式だ。オレは朝早くから王城内で、身支度を整えられていた。これから、彼女たちより一足先に、隣接するステイル教会の大聖堂に行く。


 オレが大聖堂に行くと、そこには見知った人たちがたくさんいた。オレの家族、ステイル王族一同、ミクの家族、リリーの両親も来ていた。セバスにイリナの姿もある。シリウス先生、ベガ先生、アルタさん、ロラックスさん。チャーチル教皇と聖女メテルさんまでいる。その他、知らない貴族まで含めると200人以上いるだろうか?


 ライル国王陛下、タイガさん、リリーのお父さんが外に出た。すると、オレは、最高神ソフィア様の前の祭壇に案内された。いよいよだ。


 会場が静まり返り、静寂な状態だ。音楽が鳴り響く。後方の扉が開き、最初にエリーと国王陛下がバージンロードを歩いてくる。次にミクとタイガさんだ。最後に、リリーとリリーのお父さんが歩いてきた。そして、神聖な式が厳かに始まった。


 オレは、指輪を空間収納から3個取り出した。一人ずつ指にはめていく。それぞれのベールを上に挙げ、一人ずつ誓いのキスをした。そして、会場全体から盛大な拍手が沸き起こったまさにその時、突然5大神の石像が輝きだした。


 眩しい光がおさまり、目を開けると、5大神の石像の前に、それぞれの神々がいて、宙に浮いた状態でこちらを見ている。人々は全員跪いた。そして、ソフィア様が口を開いた。



「私は最高神ソフィアです。本日は、めでたい日です。楽にしてください。」


 

 ソフィア様は続けた。



「レイ。エリーさん。ミクさん。リリーさん。今日はおめでとう。我々神々もあなた方の結婚を祝福しています。『私の使徒』レイよ。3人を幸せにするのですよ。」


 

 オレは、皆に聞こえるように大きな声で答えた。



「最高神ソフィア様。私は『神の使徒』として精一杯生きます。そして、エリー、ミク、リリーを幸せにすることを、ソフィア様にお誓いします。」



 どことなく拍手が、1人、2人、3人と増えていき、会場全体に大きな拍手の音が鳴り響いた。すると、5大神たちの姿は徐々に薄くなり、消えていった。



「奇跡だ!」


「奇跡が起こった!」


「はじめて神様にお会いした!」

 


 式場では、感動の声がしばらくの間、聞こえるのであった。


 その後、隣の王城へと会場を移し、披露宴が行われた。オレは、国王陛下から始まり、一人一人に声をかけて、感謝の意を伝えて回るのであった。披露宴も終わり、それぞれの家族だけが残った。オレ達は、家族全員にお礼と同時に大切なことを言おうと思った。



「ライル国王陛下並びにセリーヌ王妃様、タイガさん、キオンさん、ルシフさん、マジョリカさん、バロンお父様、リディアお母様、本日はありがとうございました。ここにいる皆さんはこれから、全員が家族です。神の前で種族は関係ありません。誰かが困っているのであれば、皆で協力して助け合っていきましょう。そして、この『家族の輪』が『国の輪』となり、『世界の輪』になるよう、オレ達4人頑張ります。ご協力をよろしくお願いします。」


「レイ。よく言った。神の前では、みな平等だ。私達みんなで、平和な世界を築こうではないか。」とライル国王陛下が賛同した。



 オレ達は、身分に関係なく、男女関係なく、種族関係なく、ハグしあい、握手して解散した。さすがに疲れた4人は、異空間の家に戻り、初夜にもかかわらず、それぞれの部屋でゆっくり寝るのであった。


 オレ達の結婚式に、5大神が全員揃って姿を現した噂が、王都中に広がり、王都全体がすごい騒ぎになっていた。現在、お祝いムード一色だ。

 

 確か第1王子とローザお姉様の結婚式が2カ月後だったよな。オレ達がこんなに目立ってしまって、なんか申し訳ないな。


 そう大事なことだが、エリー、ミク、リリーとの初夜は無事に終わった。ちょっとした騒動はあったが、気にしないようにしよう。まさか、あのエリーが肉食系とは・・・・・。世の中わからんものだ。あの日以来、『4人の絆』というよりも『女性達』は、強くなった。


 そして、オレ達はマルメット山脈に向う準備をするのであった。

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