第683話 ゴッド・スター・アイ!

 ドキドキしつつ、神眼さんのスペックに変化が出てやしないかと身分証オープン。

 ……

 ふ。

 ふふふふふふふふふふふ。

 神様ぁぁぁぁぁっ!

 だからーっ!

 神眼ってさ、『神』って字が入っていたら、それがいっちゃん上だと思うじゃんっ?

 なーんで、別の文字まで付けちゃうかなっ?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 名前 タクト/聖文字魔法師カリグラファー

 家名 スズヤ

 年齢 29 男

 殊勲 イスグロリエスト大綬章

    教会偉勲章

 在籍 シュリィイーレ 移動制限無

 養父 ガイハック/鍛冶師  

 養母 ミアレッラ/店主

 仮婚約 メイリーン/調薬師

 保証人 イスグロリエスト・シュヴェルデルク

     イスグロリエスト・アイネリリア

 証明司祭 テルウェスト・エーリヒス

 魔力 85109


 魔眼・蒼 神星眼:鑑・準 


 【輔祭 聖神位階級】

 書師・聖位


 【神具創錬師 正階】

 錬成・真 鍛造・真 改変・真 

 看破・真 付与・真

 調整・正 修復・正 分解・正

 解呪・正 評定・正 魔工・正


 【神聖魔法師 一等位】

 神聖魔法:聖生充育・完璧

 神聖魔法:光・極冠

 星青魔法:地/柔・極位


 収納魔法・極冠 文字魔法・極冠

 付与魔法・極冠 加工魔法・極冠 

 耐性魔法・極冠 冶金魔法・極冠

 清浄魔法・極冠 音響魔法・極冠

 造型魔法・極冠 臨界魔法・極冠

 迅速魔法・極冠


 建築魔法・極位 複写魔法・極位


 烹爨ほうさん魔法・特位 稍療しょうりょう魔法・特位

 命銘魔法・第二位

 風制魔法・第三位


 【適性技能】 

 〈極冠〉

 鍛冶技能 神詞操作 鉱物操作

 土類錬成 表象技能

 〈極位〉

 海洋鑑定 木工技能 映写技能

 〈最特〉

 造営技能 普請技能

 〈特位〉 

 創図技能 覚感技能 真正判別

 〈第一位〉

 調律技能 隠密技能

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 何っ?

 なんなの『神星眼』って!

 お星様まで視えちゃうのかなっ?

 まだ隠蔽解除してなかったのに、この時点で『神眼じゃないから表示しておくね!』なんて、どーいうお気遣いですかっ?

 マジで今、確認しておいてよかったぜ……


 あれれ?

 でも『神眼:蒼』が消えていないから、魔眼の表示が出てんだよな?

 じゃあ、これを消し……え、いやいや、なくなっちゃアカンものがなくなっとるぞ!


『魔眼看破』『金属看破』『鉱石看破』『液体鑑定』『土類鑑定』……が、ない。

 つまり、これらが纏まって『神星眼』……あ、『鑑』ってのは、鑑定系のお纏め神眼?

 ……ということは。


 大慌てで隠蔽解除すると、【顕微魔法】【探知魔法】『大気看破』も表示がなくなっていて『鉱石看破』に偽装していた『貴石看破』もない。

 だけど『海洋鑑定』が残っている……それって、この『神星眼:鑑』というのは、『空系』『地系』のみの鑑定系お纏めってことか。

 しかも、神眼の横に出ちゃっているということは、神眼カテゴリーってことなんですね?

 神眼……そのままにして、ご新規のこいつを魔眼表記に……?

 いやいやいや、グレード違うのに並んでるのはおかしいでしょ!


 ……も、いーや。

 面倒になってきちゃった!

 どーせビィクティアムさん達は魔眼表記だろうが、神眼って言ってるんだからそのまんま出しとこっと!


 段位も表記して、神聖属性ってことにしてもらおう。

『神眼 : 蒼・真 神星眼:鑑・準』

 この表記でいいかな。 


 だけど『鉱石看破』がないと、錆山には入れなくなっちゃうかなぁ……

 その辺は、入山管理組合に相談しなくちゃなぁぁぁ。



 ということで翌日、新たに発生してしまったこちらの吃驚案件も併せて、粘菌くんを活性化させる魔法の目処が立ちましたのでビィクティアムさんの所にご相談に伺いました。

 今日はビィクティアムさんが、お休みでおうちにいらっしゃいます。

 どうやら、暫くは四日に一日は休むようにと釘を刺されているようです。

 ガツガツ仕事しつつ、魔法や技能の段位上げなんてことしていらっしゃるからですよ。


「いや……最近は上げようと思わなくても、普通に使っているつもりの魔法で勝手に上がっていくんだよな……おまえがよく『いつの間にか』って言っていたのが、やっと解ったよ」


 うーむ、魔法の段位上げって積立型の複利タイプとかなんだろうか……

 俺ひとりの特性ではなかったってことで、ちょっと安心した。


「いやぁ、俺も本当に……ちょっと使うと、ぽこっと変なものが」

「……またか」

 てへへ。

 お見せしましたら、ビィクティアムさんの笑顔が張り付いた。


「……神眼だろうとは思ったが……なんだ、もうひとつのは」

「俺もよく解んないんですけど、鑑定系の技能が軒並みなくなっているのですよ。だから『鑑定に特化した神眼』で、『空系』と『地系』かなぁって」

「なるほど、そう言えば『海洋鑑定』だけが出ているな。もしかして、探知とか捜索とかの魔法が獲得できて纏まったか?」


 ……実は【探知魔法】が元々ありました、とは言えないなー。

 他にも隠していたものがあったからなー。

 取り敢えずは、そうかもしれません、とだけ言ってお茶をすすって誤魔化した。

 するとビィクティアムさんは、この間の立ち入り禁止区画鑑定でそうだろうと思っていた……なんて言い出す。


「おまえが視ている時、瞳の色が虹色に変わったからな。随分と疲れていたし、慣れていないのか全く気付かずに使っているものだと思っていた。あそこまで誰もが見て解るほどの変化が出る『魔眼』など、聞いたことはない」

「そんな変化が出ていたんだ……知らなかった」


 あの紫と黄色は、残像的なものだったってことか。

 ふっ、俺が絶賛中二病だったら、その『神眼』にとんでもない名前付けちゃっていたと思うな。


 付けませんよ。

 絶対!

 俺が口にした途端に、神様達の悪のりで身分証に出ちゃいそうだからねっ!


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