六戒 牛
テロモドキを一掃した蒼猪と光狼は、虎閃と牛丸を待たずに飛行機の中に入っていく。そこには、席に縛られていた乗客が大勢いた。
「大丈夫ですか?」
「外のヤツらは皆殺しにした。外に出ていいぞ。」
蒼猪と光狼で一人一人の拘束を解いていく。
乗客も残りわずかとなってきたその時、1人の男が立ち上がり叫ぶ。
「お、おい!止まれ!止まらないとこいつを殺すぞ!」
叫んだ男は人質を取り、まだ縛られているその人質に銃を向ける。
「いいよ、殺せば?」
蒼猪と光狼は気にも止めず乗客の解放を続ける。
「お、おい待てよ!」
「チッ、もっと上手くやれよ。」
突然、人質だったはずの男がテロモドキをぶん殴り、テロモドキの頭が砕け散る。
「誰、あんた。」
「戒盾が来るとは聞いてたが、やっぱり雑魚じゃ無理か。」
男は手斧を出すとこちらに向かってくる。
男は周囲にいる人の縄を切りながら蒼猪と光狼に近寄る。
「今更慈善行為か?」
「こいつらはお前らを気付かせるための餌だ。むやみに殺す必要は無い。」
人々は解放され、次々と飛行機から降りていく。人が居なくなったのを確認し、男は話しかける。
「俺はな、牛騎っつーんだ。牛丸ってやつ知ってるか?」
「ああ、さっき会ってここまで連れて来てもらった。」
「そのじーさんな――」
「あー、めっちゃ人出てきたけど何かあったん?」
虎閃と牛丸が合流した。牛丸は牛騎を見ると酷く激昴する。
「蒼猪、ワシの使千器返してくれんか。」
牛騎は手斧を牛丸に振りかぶる。
「牛騎よ、親父に手を挙げるのか?」
温厚そうな見た目の老人は使千器を握ると一変、体は大きくなり筋肉は増大、ランプのような物だった使千器はメイスになる。
牛丸は牛騎の手斧をメイスで受ける。金属と金属のぶつかる音が甲高く響く。牛騎の攻撃は1度にとどまらず、更に手斧を振り続ける。牛丸は飛行機の座席を殴り飛ばしながら荒々しい攻撃を牛騎に行う。
「あー、アイツ牛丸のじっちゃんの子供だったのか。」
牛丸は攻撃を続けるが、牛騎に全て躱されている。逆に、牛騎の攻撃は牛丸に当たっていて、牛丸は辛そうだった。
「
牛騎は大きく振りかぶり、牛丸を斧の刃で横殴りする。牛丸はメイスで受けるが、飛行機の壁をぶち破って外へ投げ出されてしまう。
「へっ、ジジイが。さて、お前らはどうする?」
「あー、お前、何なんだ?いくら戒盾の子供でも、戒盾はぶっ飛ばせないだろ。」
牛騎は笑いながら答える。
「お前、十二支知らねぇの?ま、政府に情報規制されててもおかしくねぇか!ハハハ!!」
「十二支って、たしか政府非加盟国の慈善団体か。でもなんの関係があんだよ。」
「ひゃーおかしい。それは政府の都合で言ってるだけだろ!十二支は契約者なんだよ!」
牛騎は政府打倒派の契約者だった。名前は十二支と言う。
「しかもおかしい事に!お前らの動物の由来知ってるか!?俺ら契約者である十二支から取ってんだぜ!序列は違ぇみたいだがな。」
その昔、赤丸には八百万の神が居て、その神の中には12匹の動物がいたと言う。悪魔の契約者は、その動物に準えて力を与えられている。
「しかも面白ぇ事に、テメェらが悪魔つってるヤツの契約にも条件があんだよ。それが、戒盾の血縁者だ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます