晴れだから

@mohoumono

第1話 晴れだから

ミーンミーン、

蝉の鳴き声が聞こえる時期に、

僕は、女の子と手を繋ぎ、屋上へと向かう。

彼女は、1.2.3と掛け声をし、

僕は、それに合わせて

慎重に階段を登りきったあと

ガチャ、いつものように彼女が、

ドアを開ける。

屋上に着いた時

彼女の手は、微かに震えていた。

「今日も、晴れだね。」

彼女が言うのだから間違いないのだろう

「じゃあ、明日も来ようか。」

「明日こそ雨だったら良いのにね。」

その日、屋上でも蝉が鳴くことはなかった。

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