Antimatter Man《アンチマン》
@Yawarakabe
プロローグ.地下の国からこんにちは
ハローハロー、こちらは地下共和国レナト。
と言っても、"国"自体此処しか無いんだけど……
え?地下共和国ってなに?
人類は地上に住めなくなったから地下シェルターの内部に国を作った、って言えば納得する…しないよね。
この狭い世界で過ごすようになったのには訳があるの。
とある"脅威"に脅かされていたから。
その脅威とは______
『ガンマ線バースト』。
我々が住む地球の、その数万光年先にある恒星が爆発して超高エネルギーのレーザーの塊が発生、それがガンマ線バースト。
んでもってそのレーザーから放射されるガンマ線が、生き物にとって害のあるものなんだとかなんだとか。
その爆発も当時地上にいた人類は予測していたそうだけど、その予測よりずっと早く飛来してきたんだと。
直撃じゃなく近くを通っただけ、らしいけど……
その放射線にオゾン層が破壊されてとにかく危険だそう。
人類はいざという時のためにこのだだっ広い地下シェルターを作ってたらしい。
けど、シェルターは一度入って閉めると外には絶対出られない仕組みで、シェルターの中で快適に過ごせるようなシステムは当時は未完成だったんだ。
で、地球の総人口全員に避難勧告を呼びかける、けど……
人類は大多数が避難に遅れて、ほとんどがそのガンマ線に被爆して絶滅。
たまたま生き残ってシェルターに入れた人間も一部が何らかの疾患を抱えて病死、当時は食糧難だったから餓死も…中には精神的にやられて自殺とかも……。
でも、人類は生きることを諦めずに努力した末に、スゴイ発明をしたんだ。
恒久的地熱発電装置…英語で何だったかな?略して「
なんでもエネルギーを最も効率よく抽出できるとかなんとか。
それを動力源にして完全量子ゲート式コンピュータを完成させて、5年かけてこの地下シェルター内部の環境や生態システムも全部整備されていったんだ。そこからこの国は発足したんだ。
国の名を"
そこから一気に栄えていくんだけども。
このお話は、その中でひとり地上に出たがっている少年から始まったお話。
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