第71話 旅立ちの時①

「チロ起きて~!」



眠るチロを起こすルル。そう今日はチロとリクが旅立つ日である。



「んーー…」



最近が夜泣きも無くなり、寝起きも良くなった。いつもはルルに小脇に挟まれて顔を洗っていたが、今は自分で起き上がると1人で顔を洗いに行く。



そして最大の成長は、階段を怖れなくなった事だ。一生懸命に一段一段と降りていくチロに嬉しさを感じるルル。2人は仲良く手を繋ぎ食堂に行くと、ケイシーと共に座るリクがこちらに手を振る。



「ルル、チロおはよー!」



「おはよー!おにゃかすいたー!」



「リク、ケイシーおはよう」ルルも座る



暫く4人で他愛ない話をしていると、アンリが眠そうにやってくる。



「アンリおはよう」



「うーんおはよー…ねむっ!」



「アンリー!チロおうちにかえりゅの!」



「リクもだよー!」



アンリは何も言わず、おちび達の頭を撫でる。いつもは髪が乱れて怒るおちび達が嬉しそうに受け入れている。



「ほら、家族が迎えに来るから早く食べな」ルルが言う



「「はーーい!」」



おちび達は元気一杯に返事して、黙々と食べ出す。それを見てルルとアンリも食べ出した。


「ルルはいつここを出るの?」



「明後日だよ。アンリは?」



「私は三日後」



「そっか…」



お互い沈黙してしまうが、アンリが口を開く。



「私達離れても…友達だよね?」



「当たり前の事聞かないで」



お互いに顔を見合わせて笑う。



そして食事が終わると、おちび達の荷物を纏める。チロは大事そうに古いクレヨンや絵本そしてオモチャを詰める。



「ねーね…またあえりゅよねぇ?」



「当たり前でしょ!ねーねは王宮に住むから、エチカさんと遊びにおいでよ。それに勉強会でチロのお家に行くからね!」



そう言うと笑顔でチロを抱き締める。



「チロはこれから大変かもしれない、でも父さんも母さんもじーじもばーばもそして生まれてくる妹もいるんだから大丈夫だよ!それに私もアンリもリクもエドワードもいるよ!」



「うん!チロはいみゃとってもちあわせにゃの!」



目に涙をためて言うチロに、ルルも涙を流す。



「私も幸せだよ!チロの事大好きだよ!」



「チロもねーねだいしゅきでしゅよ!」



そして2人はリクの元に行くと、ケイシーと涙のお別れをしていた。ルルもリクと話をする。



「リクには皆がついてるからね!それにまた勉強会で会えるよ!」



「うん!ルル、ぼきゅちゅよくなるんだ!」



「アハハ!ジョンさんを倒せる位になりなよ!」



「がんばりゅ!」



「チロもがんばりゅぞ!」



2人の後ろに炎が見えるので笑ってしまうルルだった。

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