第68話 其々の別れの準備

「きゃーー!ねーね!」



チロが待っていたルルに抱きついた。



「チロ、楽しかった?」



「うん!あにょね~チロにーにににゃるにょ~」



どや顔で言うチロだが、周りは驚いてランバートの顔を見る。



「今医者に診てもらってます」



周りは大騒ぎでチロに群がると、チロは嬉しそうに笑っている。それを見て安心したルルは、ランバートの元に行く。



「チロはそっちで暮らすことに納得してくれましたか?」



「あぁ、君の提案のお陰だ。何てお礼を言ったらいいか」



「良かったです!後はリクかぁ…」



ルルはリクをちょんちょんと呼ぶ。



「ルル、にゃにー?」



「リクはお家に帰らないのかな?チロは帰るんだって!」



「……ぼきゅのおうちはここだもん!ルルもいりゅでしょ~?」



「私はもう少しでジョンさんと暮らす事になってるんだ」



それを聞いてリクはポロポロ涙を流す。



「どうちて?リクにょこときりゃいにゃの?」



「違うよ、私はリクの事大好きだよ!私がジョンさんと暮らしてもリクとはいつでも会えるよ?」



「すん…ほんちょ?」



「うん!リクとチロとエドワードとアンリでお泊まり会もやろうよ!」



話を聞くにつれて目がキラキラしていくリク。



「すん…ぼきゅ…ほんとうにょこといっていい?」



「何?」



「ルルもだいしゅきだけど…かじょくもしゅきにゃの…にーにもやしゃしいの」



ポツリポツリと家族の話をするリクは嬉しそうだ。そんな光景を見ていたランバートはルルに感心してしまう。



「彼女は本当に8歳なのか…末恐ろしいな」



「とーしゃん?しゅえおちょろちいってにゃにー?」



首をかしげるチロをランバートは抱っこして院内に入っていく。アンリと話していたエドワードもリクとルルも一緒に入っていく。



皆でお絵描きしながら、お泊まり会のお話を聞いていた時に遅れていたエチカがやって来る。



「かーしゃん!」チロが手を振る



「皆ここにいたのね!ルルちゃん、ありがとう…本当になんて言ったらいいか!」



「エチカさん!そんな事よりどうだったんですか!」



「あら、聞いたのね……診察の結果は妊娠していたわ!」



その言葉に拍手が沸き起こり、チロは嬉しくて小躍りしている。エチカを泣きながら抱きしめるランバート。ルルも嬉しくてリクと抱き合い、アンリはエドワードの頬っぺたをプニプニする。



「どういう状況?」



入ってきたジェラルドは、部屋の中のカオスな状況に呆然と立ち尽くしていた。



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