第55話 ルルとおちび達③

「リクは放置かな…ブフっ」笑いが止まらないアンリ



「あれ、リク寝てない?」



蛇に食べられた役(?)のリクは、倒れたまま気持ち良さそうに寝息をたてている。チロとエドワードはそんなのお構い無しに進んでいく。



「お、お前ら飽きねーな!」



リクと同室のケイシーが二人に声をかける。



「てきでしゅ!」



チロは立ち上がると、剣を抜きケイシーに向かっていく。だが簡単に避けられる。それを見ていたエドワードも立ち上がると向かっていくが、こちらも簡単に避けられてしまう。



「おい、これで終わりか~?」



「「……」」



二人はこそこそ話している。そしてチロがポケットから最終兵器を取り出す事になる。



「こりぇでおわりでしゅね!」



「まさか!」青ざめるケイシー



ピーーーーーーーー!ピーーーーーーーー!



あの恐ろしい笛を鳴らす。すると何処からともなくおちび達集団が現れると、ケイシーを飲み込んでいく。



「たすけ………て」



「てきはやっちゅけまちた!しゅしゅむじょー!」



「あいっ!」敬礼するエドワード



二人はまた匍匐前進を始める。



「あっリクは?」



リクを見ると大の字になり、涎を垂らして寝ている。



「爆睡してる!」爆笑するアンリ



「あーリク兵士は大丈夫かなーー?」



ルルはチロ達に聞こえるように言う。



「あー!リクへいしー!」



「あー!」



二人は思い出したように立ち上がると、おちび達に遊ばれるケイシーを通りすぎて大の字になり寝ているリクの元へと急ぐ。



「リクへいしー!だいじょぶー?」



リクをツンツンするチロ



「リクへいしがしんじゃったー!」



本気で泣きそうになっているエドワードに、苦笑いしながらルルはリクの所に行き起こす。



「リク兵士!遅刻であります!」



するとパチリと目が開き、よたよたしながら涎を垂らしながらも立ち上がる。ルルは持っているハンカチで涎を拭いたあげる。



「リク、お部屋でお昼寝する?私も一緒に行くよ」



「…ルルもいっちょ?」甘えるリク



「うん、いっちょだよ!」笑うルル



この前、リクの家族がリクを家に迎え入れる準備が出来たから引き取りたいと言ってきた。リクを呼んで丁寧に説明するが、大泣きして部屋に籠ってしまったのだ。その時の家族の悲しそうな顔が思い浮かぶ。



リクはルルとお昼寝出来るのが嬉しいのか、スキップしている。チロ達はアンリに任せて行こうとしたが、二人もお昼寝したいと付いてくる事になった。



今後の事を考えないといけないと思い始めたルルだった。
















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