第51話 おちび三人組襲来③

「「「キャーーーー!!!」」」



おちび達の興奮が最高潮で、一人は鼻血を出している。エチカは苦笑いをしながら、チロの鼻に布を詰めてあげるが、興奮冷めやらぬチロの鼻息ですぽんと取れてしまう。



それを見て、爆笑するレオナルドとジェラルド。今おちびが興奮して見ているのは、兵士の訓練だ。エチカの粋な計らいで実現した憧れの兵士の訓練見学。



「キャー!ちゅごいー!かっこいいでしゅね!」



「チロ、落ち着きなさい!ね?」ランバートが心配する。



「おちちゅいていられましぇんー!」



「「しゅごいーー!」」



そんな幼い子供の声援にむず痒さを覚える兵士達。それに国王陛下やエチカ軍総司令官等の国の重鎮が、この訓練所に集合している。



「おい、何なんだよ!あのメンツ!」



「緊張する…」



騒ぎ出す兵士達だが後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。



「お前ら!訓練に集中しろ!」



「「「「はっ!!!!」」」」



そこには軍総隊長であるライアン・ルシルド侯爵が威圧感たっぷりに立っている。



「あー!ちちうえーー!」



可愛く手を振るエドワード



「エドワードにょとーしゃんー!」



チロとリクも一生懸命手を振る。



「おーー!ってエドワード!!何で王宮にいるんだ!?」



孤児院に行った筈の息子が、何故か国の重鎮達と王宮の訓練所にいて、こちらに手を振っている。



「ちちうえーー!かっこいいでしゅー!」



「おう!ってだから何でここにいるんだ?しかも他のちび達も!」



「ちびじゃにゃいもん!チロ、ちんちょうにょびたもん!」



ぷんすか怒るチロに謝るライアン。



「ププッちんちょうって…」笑うエチカ



「おう、悪いが訓練を続けてくれ」



国王直々のお声がけに、兵士が緊張した面持ちで敬礼する。



ちび達はジェラルドを押し退けて、念願の敬礼をする。キラキラしたおちび達に何も言えないジェラルド。



「こいつら位だよな、俺を押し退けれるのは!」笑うジェラルド



レオナルドとランバートはヒヤヒヤして我が子達を見る。エチカは着実に軍に憧れを持っていくおちび達に、計画通りだとほくそ笑む。



「エチカ、この為にこの子達を連れて来たんですか?」



ランバートがエチカのほくそ笑みを見て問う。



「えー?何の事ーー?」



「……この子達と同じくらい分かりやすいですね…」



そんなやり取りをしていると、訓練が始まる。まず、走り込みで良いと言われるまで走る。それを見てウズウズしていたチロが混ざろうとするが、兵士達の走る風圧で中々入れない。



「むじゅかちいでしゅね…これもくんりぇんか…」



それを聞いて爆笑する大人達だった。







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