第2話
電車で一時間かけて学校に到着する。
裏葉学校。
ここは勉学だけでなく剣術を通して、生活することになる。また成績に応じて自分のランクが決まる。
但し、刀は校内でのみ使用許可が出ており剣術を学ぶことができる。
長い道程であり、狭小とした電車内はあまり経験したくない。
寮生活になるため暫くは使うこともないだろう。
今日は入学式であり、体育館には合格した400人の生徒が並んでいる。
「皆さん、ご入学おめでとうございます。ここでは、文武両道を目指して頑張っていただきたいと思っています。ここではAからEのランクに別れ、生活していただきますが、規則は冊子に纏めたものを配布しますので、そちらを確認してください。より良い学校生活になることを願っています」
校長の話は手短に終わった。
校長の話の通り、ランクはAからEに分けられる。Aから順に好成績ということだが、はっきり言えばEランクは落ちこぼれ。
試験結果も芳しくないが、人数合わせのためになんとか合格した生徒というわけだ。
残り来賓の祝辞も終わっていき、解散が命じられる。寮の部屋も既に決められており自分の制服が置かれていることになる。
入試結果は個別に配送され、結果としては学力テストは500点中488点でトップ。2位に大差をつけていた。
簡単に満点など取れると、誰かに豪語したわけではないが、少し恥ずかしい。
実技試験はA。最高評価は「A」なのか、更に上があるのか伝えられてはいないが、これらもトップであるだろう。
これらから考えても俺は最高ランクのAを取っているはずだ。
入学式が終わり、各々の部屋へと歩いていく。俺の寮は右から3番目の2階。
僅かに違和感がある。ここは一番下のグループの寮と聞かされていた。
例外もあるのだろう。
中は6畳ほどのフローリングで机、ベッド、その他に必要最低限のものは揃っているとは言え簡素な構造だ。
学校内にコンビニもあり、食事は寮で出されるため困ることは無い。
机には、試験で使ったものとは異なる刀、木刀の二つが立てかけられている。
ベッドの上には校長が言っていた学校内での規則冊子、それと明日から着るまでの制服が皺一つなく置かれている。
制服は白色。どこか簡単な作り方のように感じる。
だが、明らかにおかしいのは胸ポケットに記された文字表記。「E」が綴られていた。
なぜだ。寮の部屋もそうだが、これはおかしい。
どちらもトップである俺が最低ランクのEは、学校側の間違いでしかない。
そうでなければAランクなど居るはずが無いわけだ。
とにかく辟易していても始まらない。抗議して変えてもらうしかない。
学則が書かれた冊子を熟読する。
やはり大前提として成績主義だけあり、Eグループはかなり冷遇されるようだ。差別的考えも多いのかもしれない。
寮は学校内にあり施設も充実してはいるが許可を取れば敷地内に出ることもできるらしい。ただし、如何なる場合も刀等は置いていかなければならない。
まだここに来てから殆ど時間も経っていないのに疲労感が身体に吸い付いている。
明日に備えるためにも、残りは寝転がっていた。
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