第34話
「たっだいまぁー!」
「ただいま」
ご機嫌の美妃奈と一緒に帰宅。
「みぃ、先にお風呂入る?もう予約で沸かしてあるけど。」
「うーん、あ!そうだ!」
「ん?」
「はるくん水着持ってる?」
「え、うん」
何となく……嫌な予感が。
そして、その予感は的中した。
くるっとふりかえった美妃奈は“子供がいいこと思いついた!”と言う時の表情とそっくりで、、
「あのさ、昔みたいに一緒にお風呂はいろー……よ?」
僕は今……何をしているんだろうか。
自室で1人。水着に着替えながら自問自答する。絶対そんな事しないと思ってたのに。
もじもじしながら赤い顔で言われて、、断れるわけ。
仕方ない!これは不可抗力……のはず。
٭❀*
わ、私は今……何をしているのだろう。
お泊まりの時に、美空ちゃんに貰った白いフリルトップスに淡い青のパレオスカートの水着を着てみる。
あの時は絶対着る機会がないの分かってたから渋ったけど、、貰っといてよかった!
後で美空ちゃんに報告しないとっ♪
よし、サイズもばっちり!
けど…なんで誘っちゃったんだろ。やっぱり恥ずかしい!!
数少ない布の部分を必死に引っ張って体を隠しながら、風呂場へ向かう。
春翔くんは、もういるらしく。
くもりガラスから真っ赤な顔が透けて見える。
「はーるくんっ!」
そういって扉を開け放つと……
顔を真っ赤にしてお湯に顔を突っ込む春翔くんがいた。
「あ、あぁみぃ!?」
「ん?何」
「に……にあいすぎ」
必死に顔を覆って春翔くんが言う。
「て……てれるよぉ……はるくんも。かっこいいよ」
「ありがと」
そういってはにかむはるくんは、私だけの“トクベツ”な人。
その事実に急に嬉しくなってもはや沈んでしまいそうな春翔くんに、追い討ちのように水をかける。
「うわっ!なにすんだよ、みぃ」
「えへへ」
そっからは大変な水の掛け合い。
お互いびしょ濡れになって遊んだ後。
はるくんが体を洗うので私は一旦浴室の外に出る。
本当は覗きたいけど…私にはそんな勇気はない。
しばらくすると
「みぃ、みぃの番だよー」
と聞こえてくる。
はるくんがお風呂から上がると、私は水着を脱いで体を洗い始める。
くもりガラスの1枚向こうにはるくんがいる。
そう考えると嬉しくて恥ずかしくて…
のぼせちゃったみたいに顔が赤くなった。
春翔side
やばいやばい……
くもりガラスの1枚向こうに美妃奈がいる。
ドアを開けたい衝動を必死に理性で堪える。
楽しそうに笑う美妃奈が可愛すぎて。
これは、反則。だろ?
思わずにやけてしまいそうになったから、とりあえず急いで着替えることにする。。
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