ルール説明
「ではこれより最終競技障害物競走を実施する!!!」
「わぁぁぁぁぁぁ!」
一斉にわくグラウンド。
中には五十嵐先輩に見とれている者もいるがそれは無視無視。
1年生はA組とB組が1点差で争っており、どちらの勝ちも有り得る展開だ。
2~3年はもう勝利チームが決まってしまっていて若干盛り上がりに欠ける。
そ・こ・で
「2~3年の諸君!」
ハリのある声で五十嵐先輩が呼びかけるとおおおお!と声がかえってくる。
「勝者には悪いが今回の体育祭、この競技でのポイントは4倍にする!!!」
意地悪クイズみたいな内容に、勝っているクラスからはブーイング・負けているクラスからは歓声が聞こえる。
けど、これは急に言い出したことではない。
なぜならこの競技ー
「この競技の正式名称は、障害借人競走〜2人3脚でパン食い競走〜だからな!詳しいルールは今から説明する!」
みんなの瞳に?マークが浮かんだことを悟り、説明に入る五十嵐先輩。
「まず走者は手前にあるBOXからカードを1枚引いてもらう。そしてそこに書かれていたことに当てはまる人をよんでくるんだ。ここまでは借人競走だな?」
こくこくと頷く生徒の面々。
「そしてここからが重要だ。呼んできたひとりと自分の足をロープで括りつけて二人三脚でゴールを目指す。」
おお?と戸惑う生徒たち。
そうだよな、俺達も最初聞いた時は戸惑った。
まぁ、だからこそ前代未聞なんだけどな。
「道の途中にパンがぶら下がっているだろう?アンパン・食パン・クリームパン。食べられない人は事前に申し出ておけ。おにぎりに変えてもらえるぞ。そして、それらのパンから2人で好きなパンを選んでいっせーのーでJUMP!」
やけに発音のいい英語で言うと五十嵐先輩はマイクの前で軽く飛び跳ねる。
「そこからは頑張ってゴールまで走れ!!!これで説明は以上だ。」
「わぁぁぁぁぁぁ!」
説明が終わると生徒は皆頬を紅潮させて興奮する。
それはもちろん好きな子がいる女の子たちとか、ただ単にパンが食べたくてヨダレを垂らしているものとか。
あ、そういえば。
あのパンは、近くのパン屋が少し焦がしちゃってゴミになるって言うんで貰ってきたんだよ。
おかげで経費削減できてまじで感謝。
2人1組でとぶのは怪我するかなぁと思ったんだけど、まぁ大丈夫だろ。
それはそうとて、この体育祭!
自分たちが考えた最高の競技!
運動音痴だけど……頑張ろっ!
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