第194話 ドラグーンの地へ

 空気が薄い。慣れていないとすぐに疲労困憊になってしまうだろう。


「ヒッ!」


 リリウムが悲鳴を挙げる。アーサーが静かに抱きしめる。


「落ち着いて、リリウム。怖くないから……」


 巨大な竜が幾頭も周りにいたのだ。


 一体が人語を話し出す。


「事情はルクス卿から聴いておる。奥の間に五賢帝がおる。行くが良い」


 奥の間に入ると小さな竜が五体で各々玉座に座っていた。翼がない竜とは奇妙ではある。


 リリウムは見た目に騙されて安堵しているが、僕とアーサーは真逆の反応だ。


 この竜達は敢えて僕達のみ圧力をかけているのか? 


 ウリエルは相変わらずのんびりしている。

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