第182話 疲労困憊

「終わったぞ」


 ファウストは汗だくになっていた。


 無理もないか。地上で爆発していたらこの大陸が終わっていただろうしね。


「風呂に入って休む」


 そう言って当人は建物に向かって歩いて行った。


 ファウスト、虚飾の神。その名は伊達ではない様だ。


 この男なら人類と互角以上に渡り合えるかも知れない。


 使った瞬間、彼自身も死ぬだろうが。


 正に諸刃の剣。使えば、世界が終わる魔法だ。


 これを以ってしてもウリエルに勝てないなんて。


「そうそう、ファルマコ殿。敵の次の一手をとりあえず想定しておいてくれ」


 去り際に虚飾の神はそう言って温泉に向かった。

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