第178話 懸念の現実化

「何でそんな回りくどいやり方をしているのか謎ですけどね」


「うーん、こうにゅーあいてはダーパだよ」


「…………」


 ベリアルはクリストティノスの国を利用するのも上手と視える。おそらく、身分を隠して購入しているだろう。


 恐ろしいことをする女性だ。超大国すら手玉に取っている。


「どうした? 黙って。何かまずいことなら説明しろ」


「世界最強のキリスト教国の頂点に立つ人物の直轄機関です」


 ダーパとなるとなる未知の兵器があってもおかしくない。


「ふえ? そらにアロンがあるみたい」


「何?」


 ファウストは訝しむ。


「ウリエルさん、軌道上のアロンが僕らの真上に到達するのはどの位時間あるの?」


「あしたのあさだねー」


「ファウスト卿! 即座にエルフ族かドワーフ族と連絡を取って下さい!」

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