第20話 子は寝てるときが一番可愛い

 静かだし、動かないしね。

 起きてるとほら、なにしてても本当にうるっせえからさ。


 うちの子らは、お気に入りの猫のぬいぐるみがあるんですよ。手のひらで掴めるくらいの大きさなのでそんなに大きいのではないんですけど、取り合ってケンカをするので、仕方なしにそれぞれ一匹ずつ猫のぬいぐるみを持っています。

 んでね、幼稚園の頃はふたりとも、もう本当にずっとそのぬいぐるみを抱えてたんですよ。抱きしめたりおんぶしたりね。今はさすがに大きくなったので、昼間はそんなに触ることもないんですけど、下の子くんがさ、夜お布団に入って寝てるのを確認すると、いつも自分のぬいぐるみを一緒にお布団に寝かしつけてるんですよね。ぬいぐるみと並んですよすよ寝てんの。

 くっそ可愛い、と思う半面、こいつ小学生男子なんだよなあ、と思うとなにやら複雑な気持ちにもなります。


 上の子くんはというと、彼は毎晩のように芸術的な寝相を披露しているので、わたしがお布団を覗くときにはぬいぐるみがそばにいることはまずありません。その代わりにといいますか、最近なぜか半纏を着たまま寝てるみたいなんですよね。

 この半纏っちゅうのは、去年かな? 『鬼滅の刃』の映画が大盛り上がりしていたときに、映画の帰りに買ってやったキャラクターの羽織り衣装をそのまま半纏にしたものなんですが、半纏ですからボリュームがあるんですよね。

 もこもこしたものを着て寝ているので、「あんたなんで半纏着て寝てんの? 寝にくいでしょうよ、脱いで寝たら?」と聞いてみたんですよ。そしたら彼はこう言うのです。

「朝は寝ぼけてるからさ、起きてすぐに着ようと思って置いといても、忘れて降りちゃうんだよ。そしたら寒いじゃん? だから、最初から着といたらさ、忘れないじゃんか」

と。

 ほ、ほほう? なるほどね。一応考えたんだね。母から見るとものぐさを極めたみたいな感じにしか思わないけれどもね。


 そんなわたしも最近はもこもこのロングベストをゲットしたので、日中ひとりで家にいるときは暖房を節約できるようになりました。ホットカーペットだけは手放せませんが。おケツを冷やしたくないのです。

 なんかね、首周りにエリマキトカゲみたいなおっきなもこもこがついてて、首周りをあっためてくれるので快適なんですよ。そしてロングベストなので、おケツまですっぽり暖かくて腹は冷えないし、腕はそのまま剥き出しなんです。これ、ありがたいんですよねえ。ご飯作ったり掃除したりするときって腕周りはすっきりしてるほうが楽なので、なんて考えられてる設計なんだ! と毎日着るたびに感動しています。一緒に買ったもこもこのお部屋用くつ下も履いてぬくぬくです。


 そして、あまりの乾燥に耐えられず加湿器を出しました。

 うちは加湿器は二種類ありまして、ひとつがよく個人病院とかに置いてある空気清浄機能つきのおっきなタイプのやつと、もうひとつが小型の超音波式のアロマ加湿器です。

 んでこのちっこい超音波式のほうを出してきまして、こいつがですね、確か上についてるキャップを外すと噴射口の角度が変わってお顔にも使えるよ、みたいなやつだったので買った記憶があります。まあアロマオイルをセットする場所は、すでに下の子くんに破壊されているので使えませんが。


 カビがこわいので取り敢えずガシガシ掃除しまして、ピッカピカにしてからお水をセットして久々に使ってみました。

 噴射口のところからくるくるパーマネントみたいな姿で噴き出してくる粒子の細かな水蒸気を眺めていると、なんとなく観察するのが楽しくなっちゃってしばらく見てました。

 が、こいつ……顔に当たらねえ……。

 置く位置が低いんでしょうね。まあテーブルって顔より下にあるもんね。水蒸気が重力に従って下に行くので、腹が冷えるんですよ。ちがう、違うんだ、当たってほしいのはそこじゃない。

 んで、威力を変えてみたり距離を変えてみたりいろいろ調節してみたんですが、どーうも思ったようにいかず、最終的に自分の頭をその噴き出る水蒸気のなかに突っ込んでみるという荒技に出てみました。

 下に向かって落ちる水蒸気に頭を突っ込んでいるわけなので、頭は濡れるんですが結局顔には思ったように当たらず、ちょっとどうにもならなかったので最後は諦めました。そのうち上手い方法が見つかると信じてます。っていうか去年はどうやって使ってたんだっけ。

 あとね、多量の水蒸気のなかに頭突っこんでそのまま呼吸すると軽く溺れるってことも学びました。

 いやあ疲れた。くっだらねえことに時間を費やしてしまいました。


 皆さんあったかグッズは使っておられますか。

 わたしはこんな感じですね。

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