2回目01

ふははははっ俺復活。




 皆終わったと思っただろうぉ。俺ちゃんもバットエンドで終わったと思ったんだよぉ~。ワイルドだろぉ~。




 君達とは違うのだよ。これぞ、ザ・主人公だ。




 一回目、死にゆく俺に言葉が流れ込んできた。




<<コンテニューしますか?>>




 と、俺は一にも二にもなく飛びついたさ。




 これぞ主人公の力、俺様の力だ。メタボで弱小主人公なんて何度生き返っても無駄だって。本当は俺もそう思っているさ。何で俺なんだと。




 俺が生き返ったってくその役にも立たない。自分でいって悲しくなるが食っちゃね三昧のキング・オブ・駄目男だ。ゴブリンにすら勝てない。




 考えられることは三つだ。




 異世界人はコンテニューできる。




 これが一番確率が高い。全員がコンテニューできるなら、俺もできる。しかしそんなことあり得るのかと俺は疑問に思う。全体で何人いるか知らないが、そんなことが可能なのかと、ゲームだと可能な話だが。一番可能性が高い話なのにそれは無いと俺の勘が言っている。自分の事を棚にあげての話だが。


 二つ目は、何らかの特権や特典だった場合。死ぬ間際、俺は同期で貢献度で一位だったはずだ。生存人数が一人だったっため必然的にその権利を貰った。




 うろ覚えだが、順位が高くなると、何かしらのことがあると、コルナが言っていた。




 う~ん、これは一旦保留にしよう。




 最後は、俺の特種能力が発動した。えっ、夢見すぎだって。じゃかしいは。




 異世界人は一人につき一つ以上固有能力を持っているらしい。レベルが5になるとそれが分かるらしいのだが、俺はレベル1のため分からずじまいだった。これも保留案件。




 ようはまだ何も分からないって事だ。




 次に体型を確認する。




 明らかに減っている。メタボはメタボなのだが、ジャイアントオークじゃなく、ぽっちゃりにまで戻っていた。顔も手で触って確認すると、ニキビは少なく、油ギッシュだが凸凹肌ではない。




 こんな事、異世界に来た日以来だ。




 と、言う事は、異世界にきた初日。




 きたぁぁぁぁぁ。




 変われるチャンスだ。今度こそ俺はサヤにお金をやらないからな。




 えっ屑すぎるって、気にするな。




 俺は意気揚々と村に向かった。




 十年以上住んだ、かって知ったる村だ。




 直前の記憶よりだいぶ寂れている。




 光達が魔改造したからな。




 うんうん感慨深げに唸っていると、村人から不審がられた。いかんいかん、目的の場所に行こう。




 小走りに俺は英雄ギルドに向かった。




「英雄ギルドにようこそ。何かご用でしょうか」




 やばい、久しぶりに見た生コルナだ。




 最後にあったときよりも随分と若い、肌にも張りがあり二十才ぐらいだ。




「あの、私の顔に何かついてますか」




 困惑したような表情だ。いかんまたやってしまった。




「あっあのぉ~おらっ、たったぶん異世界から来てしまったんだな」




 何故だ、何故スムーズに言えない。二回目だぞ。この後の展開も知っている。扉の前でシュミレーションして、気持ちも落ち着けた。




 なのに何故どもる。さらっと華麗に言葉を紡ぐはずだった。どこぞの男子学校生かよ。いくらコミュ症で何年も女子とまともに話してなくて、突然話しかけられて、石像のように動かないよくある展開だとしても・・・・・一回目と同じだったからまぁいいか。




 この方が信憑性があると俺は割り切ることにした。




「あっそうだったんですか、すいません私はここの英雄ギルドと言われる、貴方のような異世界から来た人を受け入れための手伝いをするための施設の受付をやっております。コルナと申します。まずは落ち着いてください」




 そうなんだよ。最初の頃はコルナも優しかったんだよ。こんな俺でも心配してくれて、丁寧な言葉で親身になって話してくれてたんだよ。




 あかん、おっさん涙がでそうだわ。




 最初はこれで号泣してしまったが、今回はぐっとこられた。




「ようこそこの世界『フィラ』へ。ここは、四つある国の中の森の国『フォレスト』の最初の村『ファスト』です。まず初めにステータスと唱えてください」




 何か変わっていることがあるのだろうか。若干胸がDOKIDOKIしながらスタータスと唱えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る