陰陽師編
第128話
主人公…阿部達が高校を卒業してから2年の月日が経とうとしていた
俺の名前は阿部正晴
今年20歳になる、どこにでもいる普通の陰陽師だ
と言っても俺には高校3年間の記憶がない
それ以前の記憶はあるのにまるでそこだけ意図的に消されたような…
そうは言っても俺が通っていたのは岡山の支部校だったらしいく、そんな田舎で事件なんて起きるはずもなく…
記憶はなくなった俺だが、辛うじて陰陽術の使い方は覚えていたのでこうして陰陽師として仕事の日々を送っている
???「どうした阿部、そんな変な顔して」
「先輩!変な顔って失礼な!!」
今とてつもなく失礼な事を言ったこの人は、
26歳独身、絶賛彼女募集中である
結城「いやいや、実際考え事し過ぎて変な顔に…って!お前失礼な事考えてたろ!!」
「いや!勘鋭いな!!」
この人は陰陽会香川支部に所属するCランク陰陽師で、新卒だった俺に手取り足取り教えてくれた先輩だ
顔はそこそこイケてるし性格も良いのに何故か彼女が出来ない…不思議だ
そう言う俺も彼女なんていた事無いんだけどね…
でも、きっと記憶がないだけで高校の頃には付き合ってた彼女がいる!!
…はず、というかいたらいいな
高校3年間の記憶はほとんど全てないんだけど1つだけ覚えてる事がある
すごく綺麗な女の子の泣き顔…
泣き顔と言ってもぐしゃぐしゃになるまで泣き叫ぶ感じではなくて、目から涙が零れる
そんな感じの泣き顔だ
もしかしたらこの子が俺の彼女…
なんて考えた事もあるけどあんなに綺麗な子が俺みたいなフツメンの事を好きになるはずがないし、そもそも泣かせてるしな…
気にはなるけどこの2年間、記憶が戻る気配なんて一向に無かったし考えたって仕方ない
そうは言っても仲良かった奴から連絡くらいあるだろ?
そう。俺も思ったよ
けど、俺のスマホには両親の連絡先しか入ってなかったんだ
………もしかして俺、ボッチだった?
やめやめ!大事なのは今だ!!
過去は振り返るもんじゃねぇ!!
や、振り返る過去もないんですけどね
(???「何言ってんだよ!阿部ちゃん」)
そう心の中でボケると誰かがツッコむような、聞こえるはずのない声が聞こえた気がした
そもそも俺はこんな性格だったか?
こんなおチャラけるような人間だったか?
自分自身と記憶と頭の中に違和感を感じる
誰もその答えは教えてくれない
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