第2夜 扇丸の呪い

 ブゥ~ン 滝沢亮太。今日は、父と一緒にドライブ中。武蔵野市で

お出かけ中だ。だが、突然事件が起こる。

 ガソリンスタンドで車を止めたときのことだった。スタンドの職員は、

みんな扇を持っていた。

「へい、いらっしゃいいらっしゃい!!」

「なんか変だね。不思議。いったいなんだろう?」

「なんかのイベントじゃないのかい?なんか雰囲気はいいけど」。

不思議に思う2人は、ひとまず、ガソリンを入れて、家のある、池袋に

帰っていった。家に帰って、しばらくした時。

「うう、大変だ!まずい、腹が痛い・・・」

父親が異常を訴える。トイレに行っても、一向に腹痛は収まらないらしい。

 (どうしたんだろう?お父さん・・・)

「それわね」。

「うわっ!!ビックリした!」

そこには、1人の男がいた。新聞記者らしい。

「君は、扇丸の呪いにかかった人を見たか?扇を持って踊ってる人とか」

「あっ!見た!!ガソリンスタンドで!!」

「ふ~む、それは、扇丸という、都市伝説の男がかけた呪いだ。人が踊るだけで

収まるなら問題はないが、これを見てしまったら、腹痛が収まらなくなる。そして、

最後には、扇丸によって、異世界に連れ去られてしまう。お前も時期、そのような

症状が出るだろう」。

「どうすれば、異世界に行かなくてすむんですか??」

「それは、扇丸よりも巨大な扇を見つけることだ。それで、助かる」。

「扇丸ってどれくらいの大きさなんですか?」

亮太が問い詰める。

「それはね、大体、東京ドーム1個分くらいかなぁ」。

「でかっ!!まじかぁ」。

というわけで、ネットで、東京ドームよりも大きな扇について調べるが、

もちろん出てこない。そこに、とあるワードが表示されていた———


 ブ~ン 腹痛が一時的に収まった父親とともに、扇状の台地があるところへ

向かう。だが、それは遠い道のりだった。かなりの距離を走った気がした。

「扇丸とかほんとなのかよ?」

「ほんとかわかんないけど、行ってみなきゃわかんないでしょ?ううっ!」

亮太も腹痛が始まったようだ。そして、父親も———

「ううっまずい。まだなのか?死にそうだ・・・」

目的地まであと10㎞ほどだ。腹痛で、遠いか近いかもわからなくなる。

 スッ 助手席に誰かがいる。先程の新聞記者だ。

「ああっ!!さっきのおじさんだ!いつの間にぃ?」

「いいから、2人とも腹痛で大変だろ?だから、助けてやるために、

来てやったんだよ。おい、運転席変われ」。

父親と運転を代わり、目的地へ向かう。そして―—―

「ううっうわっ。ヤバい!もう無理・・・限界だぁっっっ!!」

2人とも限界へ向かった時。急に腹痛が止まった。

「えっ?」2人で顔を合わせる。ナビゲーションを見ると、東京都武蔵野市と

表示されていた———

「まあ、よかった!そうだ!!」

先程の新聞記者の方を見たが、そこには誰もいなかった。だが、向かいの山へ

新聞記者が向かっているのが見えた——

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