Cafe au lait(カフェ・オ・レ)!! 〜転移先は私の前世兼勇者と魔王の戦いが終わった世界で革命を起こそうとしている喫茶店〜

@4628_haku

プロローグ

「勇者様がついに魔王を倒したぞー!!!」


響く大歓声。人々は泣きながら平和が訪れると抱き合って喜んでいた。

王国軍の長年の目的であった魔王討伐。それが今、勇者の手によって成就したのである。


人々の努力が実を結び、その想いを受け取った勇者が勝利を導き、全てが終わりハッピーエンドが訪れたと思うこの光景。



だがこの話にはまだ続きがあった。



王国軍が泣いて喜ぶその傍らで、敗者である魔王軍は首だけとなった自分らの長の名前を泣き叫んでいる者も居れば、復讐してやる、とこの日の事を忘れぬべく喜ぶ王国軍を血走った目で睨む者。


そしてその両方にも属していて属さぬ者が一人、喜ぶ王国軍と悲しむ魔王軍の真ん中で立ち尽くしていた。

右手には血の着いた聖剣を、左腕には鋭い角の生えた黒髪の女の首を抱えていた。

その者は女の首とは対照的な白髪を持っていた。大歓声と泣き声が混じり合う中、白い息を吐きながら彼は静かにこう言った。


「こんな世界、間違っている」







今から語るのはまたそれからまた少し先の物語。


その後、勝者である王国軍の権力者天使たちは好き勝手権力を振りかざし、この世界の大半を支配した。

敗者である魔王軍の権力者悪魔たちは王国軍への復讐を狙って暗躍する日々。その日々には沢山の犠牲者が出ていた。


そしてその両側にも属さず、この世界を変えようと動く喫茶店兼革命組織“Cafe au laitカフェ・オ・レ!!”

これは彼らと、日本の一人の転移者の物語。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Cafe au lait(カフェ・オ・レ)!! 〜転移先は私の前世兼勇者と魔王の戦いが終わった世界で革命を起こそうとしている喫茶店〜 @4628_haku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ