第38話
~海side~
俺は優しくマホの肩を抱きしめた。
自分の元の顔も歩の顔も嫌いじゃなかったけれど、やっぱり学年1の純の顔がほしいと、俺はずっと思っていたんだ。
売春して金を稼ぐときにマホを選んだのは全くの偶然だった。
学年内でも人気のマホなら、いい金になると思って選んだだけだった。
それが純の好きな女で、純の見た目をいただくチャンスになるなんて、思ってもいなかった。
「歩の事なんて忘れて、俺と付き合おうよ」
俺がそう言うと、マホは頬を真っ赤に染めてうつむいてしまった。
こう見て見ると本当にいい女だ。
純として飽きるまでこの女と付き合ってみてもいいかもしれない。
「色々あって混乱してるから、ちょっと考えさせて」
マホはそう言うが、結果は目に見えていた。
「もちろんだよ」
純の見た目をした俺は優しくほほ笑んだのだった。
END
イレカワリ 西羽咲 花月 @katsuki03
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