異世界幼女とブリットクリエイターの僕のお話。

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第1話 無茶振りから始まる異世界生活。

「ねぇ、ちょっと!貴女なんでまだここにいるのよ!?早く私の管理してる世界に行って巨悪を討伐して来てよ!」


「…」


 何か聞こえた様な気がしたけど、まあ私にじゃ無い事は確かだ。

 何故だって?

 だって、私まだ4歳の幼女だし。


「ねぇってば!そこの幼女!貴女よ!貴女!聞こえてるんでしょ!?」


「…は?」


 どうやら私に言っていたらしい。

 だって私、幼女だし。


「やっと反応しやがりましたよ…まったくいい加減にして欲しいわよね。ほらほら、早く行って来て!さっさと私の世界の巨悪を退治してきてよね!でないと契約違反で訴える訳なのよ!」


「…は?」


 コイツはさっきから何を曰わっているのだろう。

 ちょっとその辺のコンビニでお買い物してきて位の気安さで巨悪を倒せとかアホじゃないだろうか?

 しかも満4歳の幼女に。

 初めてのお使いじゃねぇのですよ?


 私は聞かなかった事にして、徐にその場を去ることにした。


「ちょっと!どこ行く気?行くなら私の世界に行きなさいよ!早くしないと大変な事になる訳なのよ!だからお願い!お願いしてる訳なのだから、早く行って来てちょうだい!」



「……は?何言ってるんですか?普通に嫌ですけど?」



 私は当然の様にお断りした。

 ええ、どう考えてもお断り案件ですよ。



 誰が進んで「はい!喜んで!」とか家系ラーメン屋の如く返事すると思ってんのさ!

 バカなの?死ぬの?



「ちょっと!貴女はもう行く事は決定事項な訳なのよ!契約は終わっている訳なのだわよ!貴女の意思は関係ない訳なのよ!あんまり駄々捏ねないで欲しい訳なのだわよ!」



「は?イヤイヤ何を言っているの?本気で理解に苦しむのだけど?駄々捏ねるって、意味不もいい所ですが?何故それが決定事項なわけ?なんでそれが私な訳?説明プリーズ!」


「何を言っているの?はコッチのセリフよ!貴女がその体にダイレクトダイブする条件として私の世界を救うと言う契約がきちんとしてある訳なのよ!忘れたとは言わせないわ!」


「………?」


 契約?なんの事だ?

 それにダイレクトダイブって何?


「忘れたなんて言わせないわよ!ほら!契約書にも貴女のサインはバッチリ記入されている訳なのだから!契約違反は消滅よ!消滅!な訳なのよ!」


「何それ?」


 私はその契約書とやらをじっくり眺めて見たがそんな物にサインどころが同意すらした覚えがない。

 どういう事だ?


 そして気付く。

 このサインって誰の?

 と言うか、私、誰だ?


 混乱して沈黙している私が観念したと思ったのかずっと叫んでいた女性は得意げに語り出した。


「これでわかった訳でしょ?なら、さっさと私の世界を救って来なさいな!」


「…ねぇ。幾つか質問良いかしら」


「何よ」


「此処はどこかしら?なんで私、此処にいるの?そもそも私って誰?」



「……………ハァ!?💢」



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