【完結】悪役令嬢とは何をすればいいのでしょうか？

?メ??視点

　第一王子に市街のデートに誘われました。本当は断ろうと思っていたのですが、影の方が行くようにうなずいていたので、仕方なくいくことになりました。

　それに、私はあまり甘いお菓子は好きではないのですが、ソフィア様はお好きらしいので、美味しかったらソフィア様に送りましょう。それを考えるだけで憂鬱な気持ちがなくなってしまいます。

「…リー、メアリー、聞いているのか？」

「！はい〜、ごめんさい殿下〜私、楽しみで〜」

「そ、そうか！それはよかった。もうすぐ着くからな」

「わ〜い！」

　はぁ、私、なんでこんな馬鹿っぽい話し方をしなければならないのでしょう。こんな姿をソフィア様に見られたら、恥ずかしくて、顔を見せられない。って、私のことまでは流石に覚えていませんよね。あったのはあの時の一回だけですし…

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　殿下がおすすめするだけあって、お菓子はとてもおいしかったです。程よい甘さのお菓子は私でも楽しめる美味しさでした。食べる相手が変わればもっと美味しく感じることでしょう。ソフィア様ならさらに美味しく感じるでしょう。

　第一王子との会話？そんなもの、言質を取られない程度に適当に返しておきましたよ。それどころか、生きているだけ感謝して欲しいぐらいです。

　ソフィア様を最低でも国外追放？お前はあの世に一直線だということを教え込んで差し上げましょうか？まあ、いいです。このお店の味に免じて許して差し上げましょう。後ろで影がお土産に買っているのを見てからお店を出ます。

「ソフィアのことを気にしているのか？メアリーは優しいな。だが、あんな悪女を気にする必要はないぞ」

　本当に、この男はどれだけ私を苛立たせるんでしょうね。我慢にも限界があるんですよ。知っていますか？それでも私は馬鹿らしく返事をしないといけないのですね。はぁ。

「殿下は〜とても優しいですね〜。そんなところが〜私は〜す、きゃあ」

　私の足元に一人の貧相な服を着た女の子がぶつかってきたので、とりあえず悲鳴をあげます。この子は私の救世主です。私の一番嫌な台詞を言わないようにしてくれたのですから。

　私はしゃがんで彼女の話を聞こうとしたときに、横のゴミから声がかけられます。

「おい！お前、その薄汚い姿でメアリーにぶつかるなど不敬だぞ！死にたいのか！」

　本当にソフィア様とは天と地ほど離れたお方ですね。この子の服装は薄汚れてなどいません。市街地ではごく一般の服装です。そんな様子でソフィア様を悪女などとよく言ったものですね。もうこの場に殿下はいりませんね。さっさと退場してもらうとしましょう。

「殿下〜、私はここでもういいので、もう帰ってもらえますか〜？」

「いや、それならメアリーも「殿下〜」…わかった」

　二回目は殺気を込めて名前を呼ぶと、わかってくれたようです。一回で理解して欲しいですね。渋々帰っていく第一王子を見送ることもなく、目の前の女の子にしゃがんで話しかけます。

「君はシスターフレアの子よね？」

「うん。でもどうしてお姉ちゃんが知っているの？」

「私もシスターにはお世話になったから」

「お姉ちゃんも？」

「ええ」

「そうなんだ！じゃあ、お姉ちゃんもシスターにあって行く？」

　ソフィア様の側にいたいと思ってからは、シスターとは会っていませんでしたね。たまにはいいのでしょうか。

「そうですね。会いに行きましょうか」

「やったー、お姉ちゃんも一緒だ！」

　手を繋ぎ、懐かしの我が家へと帰る。今日の出来事で確信しました。私の行動というよりは、第二王子殿下の考えはあっていましたね。あれに王は向いていない。それに、ソフィア様には相応しくない。