10 誘い
第一王子とその取り巻きたちを、追い返した日から数日が経ち、あの人たちもあまり私に関わってくることもなく、平穏な生活を送っていました。
けれど、一つだけ問題がありました。私が学園を休んでからは、以前のように気安く話してくれる方が少なくなってしまったのです。
私が第一王子に目をつけられているからなのか、それとも、私が何かしてしまったのでしょうか……
「あの…ソフィア様…、今お時間大丈夫でしょうか?」
「ええ、大丈夫ですよ?何かお困りですか?」
学園のことでなにか問題があったのでしょうか?もう、生徒会ではないとは言え、放っておく訳にはいきません。私にできることがあれば、なんとかしませんと…
「今度の学園がお休みの日、ソフィア様は何かご用事はありますか?」
「今度のお休みですか?いいえ、何もなかったと思います」
何か問題があったと思ったのですが、違ったようです。お休みですか……
もう私は生徒会の仕事をするつもりはありませんので、以前よりも時間が多くあります。
そう言えば、以前もマリア様にも聞かれたことがありましたね。
あの時は、生徒会の仕事で忙しすぎて、断ってしまいましたが……
「では!その日にクラスのみんなでお茶会をしませんか?」
「私が参加してもよろしいのでしょうか?」
「もちろんです!みんなソフィア様と話したいことがいっぱいあるんですよ!」
「そ、そうなの」
私と話たいことって一体なんだろうか?婚約のこと?だけど、私の立場だと言ってはいけないことが多くあります。
「話せないこともいっぱいあるのだけど、それでもいいのかしら?」
「大丈夫です!ソフィア様が多くのことを話せないことはわかっているつもりです。それでも、私たちはソフィア様とお話したいのです!」
「わかりました。それなら私も参加させていただきますわ」
お茶会なんて久しぶりでしょうか。お母様と共に参加した以外では、ほとんど参加していなかったですからね。
お茶会は嫌な思い出しかないですから……
でも、これもいい機会ですね。王妃教育、生徒会などやることが多すぎて、あまりクラスメイトとの関わりが少なかったものですから。
このような機会を設けてもらってとても嬉しいです。
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