第54話 54、エピローグ
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日輪本国はその後、次第に衰退して行った。
人口の増加は遅々として進まず、知識の継承も途切れがちになっていった。
新しい科学技術も発見されなかった。
それでも日輪文明は千年近く細々と続いていたが、ある日、大きな地殻変動が起こり、海岸線は大きく陥没した。
文明の資産である工場や機械や船や町が数刻で失われた。
島の中央は無事であったが生き残った人達に文明の再建はもはやできなかった。
生きることが生活の主体となり、発展に必要な余剰人口が少なくなった。
数世代が経てばそれまでの知識は無くなる。
日輪本国は貧しい農業国になった。
町は分散し交流も絶えた。
国としての形態も数世代後には無くなっていた。
唯一、言葉だけは残った。
方言は生じても基本構造は変らなかった。
論理的な構造を持つ言葉だった。
それはミーナの望んだことだった。
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