五皿

「いらっしゃい!お一人ですか?カウンター席にどうぞ。メニュー持ってきますね。」店の女将さんが元気な声で言った。

木下は店の中にいた。木下は外に出たはずなのにまた店の中にいた。木下はカウンター席についた。メニューを受け取り開いた。

「いつも失敗ばかりだ。」木下はお店の中のこと、これまでの人生のことを考えていた。

「勉強、受験、部活、恋愛、仕事いろいろ失敗したな」木下の頭の中を走馬灯のように今までの出来事が流れていた。

木下はメニューをぱたんと閉じた。

「失敗ばかりでもいいじゃないか、次がんばれば。何回もがんばれば。」と木下はつぶやいた。

「すみません。やることができました。終わったらまた来ます。」木下は女将さんに言ってドアを開けて外に出た。

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