第15話 地球SOS15

「普通に1話終わりの物語は書けるよ。」

 他のアニメや漫画の様に1話終わりの新規獲得しやすい書き方はできる。

「とりあえずゴエティアの悪魔72体を倒す物語に持っていくか?」

 先を決めると書き手が楽なんだよね。黄金12宮、鬼10体、巨人7体とか。ファンは途中から獲得は無理になるが続けて読まないといけない物語になるのは利点。有名作品になって成功すれば最初っから読み直してもらえる利点もある。

「ミックスがベスト?」

 1話完結のドラえもん、アンパンマン。

 続編の毀滅に進撃。でも素直に終わった。偉い。

 一番質が悪いのは黒の組織を倒すはずなのに永遠に1話完結を繰り返している迷惑探偵コナン。願い事を叶える玉を7つ集める話なのにいつも戦っているドラゴンボール。海賊王になると言って20年以上も海賊王に慣れてないワンピース。子供は大人になり、大人はおじいちゃん、おばあちゃんになってしまった。時が経つのは怖い。時間を返せと言いたい人は多いだろう。結構、歳を取らないアニメの主人公に気づいた時の残酷さ。また逆に、ありがとうと言う人も多いだろうが。やっぱり一つの作品はお金儲けでダラダラ続けるよりも、長くても10年位で終わらせた方が良いだろう。


「おい! 地球! 僕に力を貸してくれ!」

 チタマは地球の騎士に目覚めた。

「女の子にモテるようにしてくれ!」

 しかし何も起こらない。

「金欲の次は性欲ですか? 何て悍ましい。ああ~男って嫌ね。汚らわしい。」

 俗物のチタマを軽蔑する天使エルエル。

「うるさい! 堕天使の分際で!」

「堕天使言うな! 私は立派な天使です!」

 いがみ合うが仲の良い二人。

「チタマ。私、今度渋谷のスクランブル交差点に行ってみたい。1回の信号で最大3000人が横断歩道を渡るんだって。見て見たいから連れていって。」

 人間界に興味津々の天使。

「嫌だ。ヤンキーとギャルしかいなもの。普通の少年少女は渋谷なんかには行きません。」

「不良が行く所なのね。なら問題ない。」

「どうして?」

「だって私は堕天使だから! アハッ!」

「こいつ!? 開き直った!? なんていう天使なんだ!?」

「ワッハッハー!」

 勝ち誇る天使エルエル。


「ウワアアアアアー! 人が多い!」

 チタマとエルエルは澁谷のスクランブル交差点にやって来た。

「人に酔うぜ。吐き気がする。ウエッ!」

 チタマは人の多い所が苦手だった。

「何を言っているのよ? 今から悪意を狩るのよ。」

「え?」

「人間の数だけ悪意はあるんだから、人間の多い所に行けば、それだけ地球を破壊しようとする悪意に出会えるのよ。さあ! 始めるわよ! 人間狩り!」

「人間狩りって、やっぱりおまえは堕天使だ。」

「堕天使言うな!」

 エルエルの目的は人の多い所に行き悪意を見つけることだった。

ピキーン!

 その時、チタマとエルエルは何かを感じとる。

「この気配は悪意!?」

「いったいこの中の誰の悪意!?」

 スクランブル交差点を横断している歩行者が多すぎて誰の悪意か分からない。

「違う!? この悪意は・・・・・・車だ!」

 猛スピードの車がスクランブル交差点の人混みに突撃しようとしている。

「俺の人生は終わったんだ! どうせ死ぬなら多くの人間も道連れにしてやる! うおおおおおおおー!」

 車の運転手は人生に絶望した迷惑な自分勝手な言い分の悪意の持ち主だった。無差別テロは一人で勝手に死んでくれ。

「チタマ! 地球の騎士に変身よ!」

「でも、これだけ多くの人に姿を見られるぞ。いいのか?」

「別にそんなことは気にしなくていいのよ。鳥だ! 飛行機だ! 地球の騎士だ! よ。」

「分かった。やってやる。やってやるぞ! おい! 地球! 僕に力を貸してくれ! 変身!」

 チタマは地球の騎士に変身する。

「いくぞ! 悪意! くらえ! 地球光線!」

 チタマは車をビームで攻撃する。

「ギャアアアアアアー!」

 車はビルにぶつかって急停車した。スクランブル交差点を横断する人々は助かった。

「クソッ! なぜだ!? なぜ俺の人生は上手くいかないんだ! 他人を殺しまくることもできないなんて!?」

 運転手の悪意は増幅していく。

(確かに伝わったぞ。おまえの悪意。キャアアアアアアー!)

 その時、六芒星の魔法陣が人間の悪意に描かれる。

「俺の名前はウァサゴ! 人間なんて皆殺しだ! くらえ! ウァサゴ・ビーム!」

 現れた悪魔ウァサゴはビームを放ちまくり街を破壊していく。

「キャアアアアアアー!」

 スクランブル交差点の人々も四方八方に散って逃げていく。

「やめろ! 悪魔め!」

「おまえは何者だ?」

「僕は地球の騎士だ! これ以上の破壊活動、地球の環境破壊は許さないぞ!」

 チタマが悪魔ウァサゴの前に立ちはだかる。

「邪魔する奴は許さない! くらえ! ウァサゴ・ビーム!」

「ウワアアアアア!」

 ウァサゴの攻撃を紙一重で避けるチタマ。

「これで最後だ! ウァサゴ・ビーム!」

「直撃だ!? やられる!?」 

 悪魔の攻撃にチタマは死を覚悟した。

「これは盾?」

 しかしチタマの前に盾が現れてビームを跳ね返す。

「アイギスの盾だ。」

「ゼウス!?」

 そこにオリンポス12神騎士の一人ゼウスが現れる。

「次から次へと邪魔しやがって! 悪魔に歯向かうとはいい度胸だ!」

「私はオリンポス12神騎士の一人ゼウス。悪魔など怖くない。」

「神騎士!? ヤバイ! 逃げろ!」

 相手が強いと分かると悪魔は一目散に逃げだそうとする。

「今だ! 地球の騎士!」

「はい! いくぞ! 悪魔! くらえ! アース・ビーム!」

 チタマは地球光線で攻撃する。

「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」

 ウァサゴは倒されて魔界に帰って行った。

「やったー! 勝った! 勝ったぞ! 地球は僕が守ってみせる! ワッハッハー!」

 勝利に大喜びのチタマ。

「ゼウス様。オリンポスって何ですか?」

「オリンポスは神の住む山だ。私はそこの神の使いの騎士をやっている12人の一人でしかない。」

「他に11人も強い人がいるんですね。」

「神騎士といっても全員が強い訳ではない。心優しくて戦闘を嫌う者や武器ばかり作っている鍛冶もいる。オリンポス12神騎士とは称号の様なものだ。」

「勉強になります。」

 チタマは少し偉くなった。

「チタマ。地球が真っ二つになるのを防ぐことができるは地球に選ばれた君だけだ。これからも地球の環境を守ってくれ。」

「はい。分かりました。がんばります。」

 チタマは地球崩壊を防ぐために人の悪意と戦い続ける。

 地球一刀両断まで後2979年。

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