第31話 放置仕置き

「………………」


俺の可愛い妹、涼香殿が俺と口を聞いて下さらない。


「涼香殿……」


「………………」


ご飯の時も、廊下で会った時も、俺はそこにいない人間になってしまった。


「涼香殿!」


「……」


ご飯を食べているのだが、黙って膳を見つめ、母上とは会話するのだが、俺はいないようだ。


「涼香殿?」


「……」


可愛い表情はそのままなのだが、俺が話しかけても何の反応もない。声が届かないのだろうな。俺の方は全く見ないので、いることは分かっているのだと思う。


完無視だ。

放置だ。


これで、なんかジンジンできたらなあ、新しい扉開かねえかなあ……ご褒美にならねえかなあ。

次回、輿入れ準備

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る