一冊の要塞。

雪。

第1話

こんにちは!ってのも変かな。僕を見つけてくれてありがとう!いやいや。どこのインフルエンサーだよ。ってか何か今の僕明るくない?僕にも少しはそんな一面があるのかなぁ・・・って!おっと話がそれたね。とりあえず挨拶が浮かばないけれど、歓迎するよ。


ようこそ。僕の秘密基地へ。


名乗るのが遅れたね!申し訳ない。


こんな秘密基地、なんてガキ臭いこと言ってる僕だからさ!本名を名乗るのは恥ずかしいな・・・!!

雰囲気作りに、格好をつけてコードネームでも作ってみようか!うーんそうだなぁ・・・。


てんこ。とでも呼んでもらおうかな。

ほらTVとかでよくあるじゃん?別スタジオから声だけで参加してる天の声って人達。

あれから取って、てんこ。

と、言ってもこれはただのノート。声は聞かせてあげられないけどね。


さて、こんなノートが秘密基地なんて、笑えるだろう?だけど、このちっぽけなノートは。僕が、敵から身を守るための秘密基地。


一般的に言えば、ただの計画書?なのかもしれない。

だけど、この文房具コーナーの一角にある、小さな子供でも持っている紙束には、僕の些細でちっぽけで無意味で無駄で理不尽で自己中心的な僕の生きる意味が厳重に保管されている。

そういう意味では要塞って言葉が正しいのかもしれないけれど。まぁ、細かい事は気にせずにさ。

せっかく君を歓迎したんだ。

しばらく、この秘密基地を案内するよ。さぁ、読み進めてくれるかい?


僕の、僕を必要とせず否定した世界への

命をかけても尚ちっぽけで矮小な復讐計画を。

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