真壁の裏
~集金当日放課後~
「金は持ってきたか?」
集金役としてだろう、真壁が金をとりに話しかけてくる。
「ええっと・・・」
グイッ
財布を取り出して出そうとまさぐっていると財布を取られある札すべてを持ってかれる。
いくら周りに俺たちの関係がばれたくはないからと言ってもやりすぎな気がするが・・・仕方ない。
教室の扉がガラッと開く。
「それじゃ集金を始めるぞ」
クラスにはなぜか真壁のほかに二人幹部が集金を行っていた。あいつは確か、この前真壁に教えてもらった隣のクラスの五組組幹部原と六組幹部秋山、なんでこいつらまでいるんだ、集金は一クラス一人の幹部で行うんじゃないのか。
「ハイ次お前、金出せ」
六組幹部秋山が俺の前にたつ。
でかい、秋山はボディービルダーのような体格をしていて縦にも横にもでかい、異様なまでの威圧感を感じる。
「いや僕なら真壁君に渡しましたよ」
「そうなのか、真壁?」
秋山は後ろで集金している真壁に首をかしげる。
速くよこせよみたいな顔しやがって残念だったな、俺ならもう渡し済みだ。
「いいや、渡されてないが?」
は?!
「いやしっかりわたしまし・・・」
ボゴォッッ
弁明しようとすると言葉の途中で秋山に顔を殴られる。
教室中の視線がこちらに向く。
「いるんだよな、たまに嘘ついて払わなくていいようにするバカかが」
強烈なパンチはいとも簡単に俺の体を教室の後ろの壁まで吹き飛ばした。
予想外のダメージについ座り込む。
「がぁ・・・」
背を打ち付けられて呼吸がしにくい。
いってぇ、真壁どういうことだ、俺をはめたのか。
真壁のほうを向くと真壁は冷ややかな目でこちらを見ている。
スマホがぴろんとなる。
この前交換した真壁のlineから「これにこりたらバカなことを考えるのはやめろ」と書いてある。
俺を信じられないんだな、真壁。
「全員部屋出ろぉ!しつけの時間だ!」
六組幹部原が大きい声を出し部屋にいるクラスメイトを追い出す。
「お前ら二人ともほどほどにしとけよ」
真壁もそういいのこすとほかのクラスメイトと同様出て行った。
「先に教えておいてやる、助けは来ない、万が一きても真壁が対処する。喚いても無駄だ」
「周りには誰もこないってこと?」
「そういうことだ、選ばせてやる、どこから折ってほしい?」
秋山は余裕の表情でぽきぽきと指をならしながら詰め寄ってくる。
原は秋山の後ろに立ち無言でこちらを見ている。
「ああ、誰もいないんだね・・・」
見物人はいない。狭い空間。絶好の条件だ。
「あ?だからなんだよ」
「それじゃあまずはおまえらの心から折らせてもらおうか」
口から出た血を吹き、人差し指をくいくいと曲げ挑発する。
さぁ、どこまでやれるかな。
~~真壁 視点~~
どんな作戦かと聞いてみれば幹部連中を少しずつ俺らで倒す?稚拙な作戦だ。何人もいる幹部を少しづつ倒していったらいずればれて集団で叩きのめされるのがオチだ。確かに真田は強かった、しかしあれは俺が近距離系のペーシェントだったからだ、相性の悪い中距離、遠距離系と戦えばひとたまりもない、もし近距離戦にもちこんだとしても集団で囲まれれば終わりだ。今回の状況がそれだ幹部を二人同時に相手する。こういう状況は往々にして起こりうる。無理なんだよ、俺も昔、今の真田どうよう反抗してたからわかる、集団はどうしようもない、甘くねえんだ、ゲームやアニメみたいに無双はできないんだよ。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
聞いたこともない悲鳴が教室から鳴り響く。
おいおい、おそらく真田の悲鳴だろう、やりすぎてねぇだろうな、こんなことしてるからお前らのクラスは自殺者がでるんだよ。
秋山は【武田の猛牛】そのでかさからそう呼ばれている。やつの巨体から打たれる突進は凶器そのものだ。原も【鬼夜叉】という異名がある。常に冷静だが戦いのときの勇猛さはだれもが恐れおののく。
急いで止めに行くため教室に向かう。
「おいやりすぎんなって・・・」
真田を圧倒しているだろう秋山達をとまようとしたとき、教室を開けると予想外の光景がそこにはあった。
「どうなってんだこりゃ・・・」
そこには幹部二人を圧倒している真田の姿があった。
「よぉ、真壁」
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