第20話 全部ヤカラがやりました
アンナはたまたまミス〇を出たところに絡まれているニッチを発見して止めに入ったところを巻き込まれた、とのニッチの主張が通ってすぐに帰された。
迎えに来たアンナママはかなり怒っていたようでアンナに噛みつくように喚いていたが、アンナは冷静に恥ずかしいことなど何もしていないと言い切り、お巡りさんもアンナの弁護に廻ったため怒りの矛を収めてくれたようだ。
ニッチについてもナギサとミユキが反省して自分たちのした事をすべて告白したので、駆け付けたニッチのお母さんと調書にサインをして帰って行った。
ナギサとミユキはニッチが二人にそこまでの悪意が無かったことを証言し、ヤカラ先輩に騙されていた事に成った。
車の中の会話はニッチがキッチリとスマホに録音していたのだ。
そしてヤカラ達をボコったピグレット仮面は誰でしょう~♪
なぜか周辺の防犯カメラやドライブレコーダーの映像はイワケンのカブが走っている瞬間の画像がぼやけてハッキリと特定できない様だった。
関係者全員心当たりがないとの証言からピグレット仮面の正体は闇の中である。
まあサングラスにマスクの上からフルフェイスのヘルメットではだれにも顔が解らないので迷宮入りだろう。
以上、ウチの地獄耳能力による警察署盗聴結果でした。
ちなみにイワケンはその後警察から感謝状を貰い、勇気ある高校生として地元紙の取材まで受けた。
そして学校に無断で免許を取った事がばれて一週間の停学処分となった。
アーメン。
翌朝、学校に着くとアンナが何やらニッチに謝っていた。
「僕の仮の親が本当に迷惑をかけてゴメン」
「いいよ、アーシもママも気にしてないから。見た目こんなだしそういうの慣れてんだ」
「あの人は見栄や見かけばかり気にして何が正しいか見ていないんだ。新田さんは正義を貫いたのにそれをわかろうともしないなんて、僕は恥ずかしいよ」
「アンタは一々大げさなんだよ。それにアーシの事はニッチでいいよ。アーシも安奈って呼ぶからさぁ」
どうやらアンナママが警察でひと悶着もんちゃく起こしたみたい。
「えっっと、ニッ、ニッチはそう言ってくれるけど、あの仮の親は僕のいう事なんて何一つ聞く気が無いんだ。自分の考えを押し付けるだけで」
「それでも安奈の事を思ってるから怒るんだよ。そこは解ってあげなって。納得は出来なくても理解はしてあげな」
「でも、ニッチのお母さんにまであんな態度なんて僕は許せない」
「安奈がそう思ってくれるだけで充分さ。それより今度の土曜日、うちにおいでよ。莉凰にハンバーグ作りを教えてもらうから」
「うん、行くよ」
・・・・・・・・。
「オッハヨー!」
「おはよございます、リオ。昨日はお疲れさま」
「オハヨ、桃豚仮面」
「桃豚じゃねーわ。ピグレ〇トじゃなくて、何の話かにゃあ」
「ミユキさんの言った通り」
「ウスイがなんて! ってウスイってだれかにゃー」
「莉凰、安奈はウスイって言ってないから」
「何かわからないけど、昨日はずっと寝てたのにゃ。ウチはナンも知らんのにゃ」
“絶対バレてない、バレてない、バレてない。”
「まあ良いけど。安奈、昨日は忙しかったから今のうちに予習しておこうよ。現実逃避してる莉凰はほっといて」
「リオ、一緒に予習しようよ。昨日は忙しかったでしょ」
「ハッ! そっそうね。ウチ宿題も終わってなかった。二人ともお願い見せて~」
「アーシ達もそんな暇なかったよ」
「リオ、一緒にやろうよ」
結局、その後から登校してきたミクリンに教えてもらいながら宿題を終えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます