勇者に封印された邪神龍だった私(ウチ)が、転生したらJKだった件
ヌリカベ
聖龍の目覚め
序章
第1話 ラストクエスト
「小賢しい人間風情が、己の力量も弁えずよくぞその大言をほざけたものよ」
その間度々、
人間風情が幾ら来ようとも我の鱗の前では蚊ほどの痛痒も感じないのではあるが、安寧を妨げられるのは夏の日の蚊の羽音の如くに鬱陶しい。
なまじに知恵があるので、手を変え品を変えて侵入してくる歴代の勇者どもには辟易してしまう。
この前の勇者を撃退してからたった四十年で又湧いて出てきた五人組のパーティーは、前の勇者の半分にも満たない三分余りで虫の息になってしまった。
これまでの勇者たちの中でも最弱の部類に収まりそうな輩である。
この程度の力量で何を考えてここに出向いたのか呆れて放った科白が冒頭の発言となった。
弱者を甚振る積もりも無い。
一気に終わらせようとブレスを放とうとした時だ。
「もはやここまでです!」
賢者がローブの中から何かを取り出した。
瀕死の四人が賢者の回りに這い寄ると、その上にお互いに手をかざした。
そして五人が口を揃えて祈る。
「全世界の魔力よ、この宝玉に集え!」
勇者が叫ぶ。
「我ら五人の魂を用いて邪神龍に封印を!」
五人の手の下で眩い光を放つ其れを見て我は驚愕する。
この愚か者たちは世界の要たる魔聖石を、世界中のすべての魔力を結果も解らずに使い果たそうとしている。
「愚か者!自分たちが何をしようとしているのかわかっているのか!」
したり顔で満足げな笑みを浮かべる勇者どもの顔を最後に、眩い光に包まれて
そして全世界の魔力は失われ、魔力を持つすべての生き物・龍族・魔獣属・魔族そしてもちろん人属もすべて滅び去ってしまった。
封印されし、
そして
「勇者のバカヤローーーーーーーーーーーーーー」
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