第10話その寝顔に…いいよね、このくらい
「失礼しまぁー……」
ガラガラと保健室の扉をスライドさせながら入室しようとした私の視界に、ベッドの周りをプライバシーを厳守するカーテンが覆っているのが映る。
ああ、またか……
短いため息を吐き、カーテンで囲われたベッドに足音を立てまいとそっと歩み寄る私。
カーテン越しに聞こえるのは、ベッドで横たわる人物の寝息だけだ。
狸寝入り、というわけではなくマジで寝てる。
私は、彼女の肌ほど潤ってはいない。
起きている
カーテン越しの
カーテンを越えて、恵の寝顔を見下ろし、唇が触れられるように屈む。
彼女の寝息が顔にかかり、正気を失いかけながらも彼女の無防備な寝顔を見つめてキスをした。
やっぱり
——恵、責任とってよ。
言いたくても、言えないよ……こんなの——。
私は、あなたに——
——って言いたい。
言えるまで、
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