第2話通勤電車で見掛ける女子高生と

電車に揺られながら向かいの座席に身体を沈めて隣に座る友人らしき女子高生と何らかの話題で盛り上がっている艶やかなロングの黒髪の女子高生に視線をやっていた。

毎朝、通勤電車で見掛ける女子高生であり、気になる存在の彼女。

今日は見掛けないだろうと思っていたけれど、私服の彼女を見れているこの時間が幸せに感じる。

彼女を一目見れるだけでも仕事疲れが吹き飛ぶほどの破壊力を備えた彼女の可愛さにノックアウトなほどに彼女の魅力に取り憑かれていた。


彼女の友人が私の視線に気付いたらしく、小声で訊ねていた。

「ねぇ、ミホ。あの人が見てんだけど何か心当たりある?」

「ないけど。害はなそうだし良いじゃん、気にしなくても」

彼女の瞳が私の瞳を見詰めてきた一瞬でさえ彼女の顔が見れて嬉しく感じる。


二駅停まり、彼女の友人が電車を降りて彼女はスマホを弄り始める。

相変わらず車内は満員とまではいかないがきつきつの手前だ。


ミホちゃんと呼ばれた彼女に恋愛感情を抱いており、付き合いたい──結婚したいとまで行きつくほどまで好きと言える存在だ。


彼女が席を立ち上がり、扉へと歩き始め電車を降りるのを捉え、彼女の後ろを追いかけた。

改札機に差し掛かる直前に勇気を振り絞り彼女に声を掛けて手首を掴んだ。

「あのっ!ミホ......ちゃん、だよね?」

「何ですか?離してください、痛いです」

訝しげにこちらを見つめられ、一瞬怯まずにはいられなくなった。

「ごっごめん、なさい......少しで良いのでお時間頂けませんか、私に」


「何もしませんよね?襲ったりといったことは......」

「しませんっ!そのようなことは致しませんので私にどうかっ、どうかお時間をっ!」

「わっわかりました!わかりましたから頭を上げてください!」

「......ということは」


どうにか彼女と話を取り付けることができ、駅に入っているカフェに行くことになった。


カフェの後、彼女と──

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る