第4話
その夜から2+1人の新しい曲作りは始まった。
ある日2人で曲を作っている途中、突然トムが言い出した。
「ミキさんていったっけ?彼女は色にすると[赤]だな。すごく行動的で直感的な声。」
「ほー。[赤]ってそういう色なんだー。あ、今僕の中では伴奏が[緑]だから。」
「あれ?俺が[緑]じゃなかったの?」
「今の僕の中では伴奏が中心になっているんだよ。そしてそれに付随する2つの音。」
「じゃあ俺にとってマイケルは[黄色]だ。」トムが言った。
「なんで?」
「大人の男性と女性の中間ぐらいの声してる。声変わりしてない中性的な色に思える。」
「声変わり?あー、そういえばトムは声が低いね。なんで声変わりなんてあるんだろう?」
などと語り合いながらオリジナル曲作りが始まり3日が過ぎた。
曲は出来たのだった。
最初の2日間でメロディーとハモリを決める、それと同時に楽譜を書く作業。
最後の日にミキさんの家で伴奏を付けてもらったのである。
伴奏はマイケルが決めた3つの[コード]だ。
3人は完成記念にミキさん家でパーティーを開いたのだった。
「臭くないねー(笑)。」マイケルが言った。
「なにー!(笑)ったく(笑)。」とトム。
「じゃ、乾杯しよっか!」とミキ。
『カンパーイ!』
「私、今日のためにいいワイン用意してたのよ。」
マイケルはお酒が初めてだった。
しばらくの座談の後、ミキがこう切り出した。
「この新曲の発表会をしましょう!しかも大々的に!」
「いいねー♪」とトム。
「え?はずかしいよー(笑)。しかも大々的って。」
「それで考えがあるんだけど。いい?」
『なに?』と2人。
「この町に3つ教会があるのは知っているわよね?」
「え?僕、知らないよ。」とマイケル。
「あ、知らなかったんだ。じゃあパイプオルガンは1つの音しか出せないってのは知っているわよね?」
「知ってる。」
「だからよ。その3つの教会に伴奏になってもらってその中心で、男女2つの合唱隊を作ってもらって歌うのよ。どう?」
マイケルは考えた。
「面白そうだけど…誰も参加してくれないんじゃ…。」
「大丈夫よ。まず3つの教会を説得しなくちゃね。」
3つの協会の許しは意外とあっさり出た。
『おもしろい!』と言うお墨付きだ。
許しのついでにメンバーの募集も行った。
その後、ミキは言った。
「マイケル、後は私達に任せて。実家に戻りなさい。」
「えー、やだよー。もっと3人で楽しくやりたい。」
「またそのうち会えるわよ。今は家でおとなしくしていなさい。」
「…うん。わかった。」
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