第14話 大人時代



 子供時代は終わって

 大人の時間がやってくる


 夢が覚めて 現実の世界

 幻想は消え去って 冷酷な世界だけが目の前に残った


 責任を背負って 期待を背負って 

 自分以外の誰かの将来を生きていく


 皆が大人になっていく

 誰もが大人になっていく


 子供でいたいなんて そんな事わがままだから

 困らせたくない それは人の為


 それから

 世界を背負って 多くの人の人生に関わって

 歯車の一つとなって消費されていく未来


 そこに いつか昔に夢みた煌めきは存在しなくて

 誰かの為に 誰かの意思だけが残ってて


 自分自身のものなんて 残らなかった


 子供時代は終わって

 大人の時間がやってくる


 夢が覚めて 夢が途切れて

 見えていたはずの幻想が見えなくなって 消えていく


 冷酷な世界だけが残った

 現実だけが……


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