高校生特殊部隊員

eguhiko

第1話 プロローグ

俺の本名は雅(みやび)

名字は変えすぎて覚えてない。

何故か知らないが人生のやり直しが出来てしまう。


誰しもが考えたことがあると思う。

このままの脳みそや考え方や感情で小さい頃からやり直してみたいと。


そうすれば学生の間の勉強は一切勉強しなくてもなんとでもなるし、

大人になって必要な事は知っているので、

その勉強を身につける速度は速い。


俺は確実に特別な存在だ。


一度目の人生の時は80近くまで生きて、

ジジイとして家族に看取られながら病院で死んだ。


生まれ変わったら赤ん坊だった。


でも記憶はそのまま。


知らない女の乳房にしゃぶりつく事しか出来なかった。

あの瞬間は得をしたようなしてないような感情に苛まれる。


最初は異常に戸惑った。

これは夢なのか、

はたまた何かおかしな映画でも観ているのか。


運動能力については赤ん坊である間は流石に動けなかった。

しかし、幼稚園生くらいの年齢になってくると、

足の速さや筋力。


そして反射速度などは全盛期とあまり大差がなかった。


つまりは前世でトレーニングしたことは脳みその中身も運動能力も幼稚園くらいで

完全に引き継がれた状態になるって事。


まあつまりは規格外の天才が爆誕するというわけ…。


そして現在俺は記念すべき99回目の人生を終えようとしている。



「達也!死んではダメよ!

 まだ由紀子や和也がいるんだから!」



俺は末期のガンだった。


この時の俺の呼び名は達也。

年齢はまだ若くて30代だった。


この時の俺の職業は大学の教授。

異例の速さで出世してテレビにも引っ張りだこで天才だと言われていた。


しかし、楽しいこの人生は早めに終わりそうだった。


ある日体調が悪くなり病院で検査をすると、

俺はレントゲン写真を見せられた。


前の人生で医者も一通り全科やったことがあったので、

自分の病気がすぐに理解出来た。


頭の良さや運動能力は引き継ぐことは出来るが、

病気にかかりやすい事や花粉症等の体質は引き継ぐことは出来ず、

完全なガチャ運。



「末期のガンです…」



俺の命はもって3ヶ月だった。


家族に看取られながら俺は99回目の人生を終えた。


そしてまた新しい命として俺は生を受けた。



「これで最後」



「えっ…?」



不気味な一言で俺は目が覚めた。


俺はまた小さな赤ん坊として誕生した。



名は雅。


最初の人生と同じ本名となった。


俺が生まれたこの家庭は日本の愛知。

平凡なこの地で俺は最後の人生を過ごす事になる。

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