第2話・はじまりの国2

「見てみて奈津ちゃん、これはなんだろうねぇ」


「うーん、白くて綺麗な石だね」


 二人で店先に並んでいた白い石を眺めていたら、店主が人の良さそうな顔をしていった。


「これは魔鉱石まこうせきだよ。綺麗だろ?見たところ君等はまだブレスレットを持っていない旅人さんだろ?記念にブレスレット作っていかないかい?」


 今は皆町並みに夢中だから、二人だけ早く作るのはダメかもしれないと、小雪は思うがでも後からたくさんの生徒を相手する店主があわれなので、ここは先に作ろうと小雪は「じゃあ、作っていくよ。あとであそこの黒ローブが払うから」と、二人で先に作り始める。


「はい、まずは石をこの水に浸してね」


「石を水に入れる理由は?」


「石が柔くなって、形を作りやすくなるのさ」


 店主がニコリと笑いながらいう。


 たしかに白い魔鉱石を水に入れて数分すると、ふにゃふにゃにふやけ始めた。


 そのふやけた石を奈津は丸く、小雪は平たい楕円にしていく。

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