第2話・はじまりの国

 修学旅行にやってきた生徒達を待ち受けていたのは、中世ヨーロッパの町並みだった。


 石造りの建物や、レンガの家などもあって小雪は「この国は中世ヨーロッパ風か」と、珍しくメモ帳にメモをしていた。


 他のクラスメイトたちは「明日は魔物でも降るのか?」などととんでもないことをいっていたが、小雪は「闇払いなんだから問題ないよ」といってのけた。


 他のクラスの生徒たちもハルマリー名物を見たり、楽しげに旅行を満喫まんきつしている。


 だが、このハルマリーには規則性はなく、まさに日本の原宿や渋谷の若者がごった返しているかのような状態だ。


 たぶん、他の国からの旅行客が多いのだろう。


 それにみんな違う言語で話している。


 いわゆるこの世界の玄関のような国なのだろう。


「さすがに乗り物は考えた方が良さそうだなぁ。ここは見ていて飽きないけど、うちはまだ学園しかないから」


 小雪のその言葉に「そのうち皆で作れば良いよ」とのんびり奈津がいった。


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