第10話 就寝前
「じゃあ寝るにはまだ早いし私はベッドでくつろいでるね。そういえばさっきやってた良いところ言い合うゲーム終わってなかったけどどうする?」
「もっとちゃんと紗耶さんの良いところ見つけて戦えるようになったら挑戦するよ」
何気なく言った言葉に紗耶さんは顔をニヤけさせる。
「真夏くんちょっとずつ私のこと好きになってるよね。今の発言、私のことどうとも思ってなかったら出てこないよ。嬉しいなぁ。真夏くんがデレ始めてくれてて」
「そんなことないから。ただちゃんと準備して勝ちたいと思っただけだから」
「今はそういうことにしておいてあげるね」
満足そうに俺のベッドに腰掛ける紗耶さん。用意のいいことで俺のベッドの横の床には布団が敷いてある。
女の子と同じ部屋で寝るとかたぶん幼稚園のお昼寝以来だろう。ただそんなのは経験のうちに入らない。つまりは今日が初めて。
落ち着け落ち着け。とりあえずまた株の画面を見たら気がまぎれるだろ。
そうそう。いつものようにチャートをみて、今日どんな感じに市場が変動したのか確認。ニュースも軽く見ておく。
お知らせのところも確認しておこう。別に何もないだろうけど。
特に意識せずにお知らせ欄をクリック。
「お、なんかお知らせきてる」
そこで俺は盛り上がった気持ちに氷水をぶっかけられたような感覚に襲われた。
そして漫画を読む紗耶さんの方を向いて言った。
「俺たち、結婚するべきじゃないのかも知れない」
心臓をギュッと握り締められたような感じでとても苦しい。もしかしたら心の底では紗耶さんとのこれからの生活に期待していたのかな。
「どうして……そんなこと言うの……?」
その時の悲しそうな紗耶さんの顔を俺は忘れることはないだろう。
今回はちょっと文字数少なめです。これからもよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます