この世界の形

中崎ネル

プロローグ

「先生、なぜ私をつくったのですか?」

と問いかける。

「今この世界は、魔王に支配されているだろう?だから、魔王を倒さなきゃいけない。でも、いくら人間が頑張っても倒せていないんだよ」

「つまり、私は魔王を倒すためにつくられたのですね?」

「あぁ。でも大丈夫だ、ルー。心配することない。もし君が壊れても、必ず僕が治すから」

「はい、先生」








久々にみました。先生との思い出。

あのとき先生は、人間には魔王は倒せないとおしゃったけど、先生がいなくなってから3ヶ月後に魔王は人間の手で倒されましたよ。

このことを聞いたら、先生はとても驚くでしょうね。ですが、私は天国、という場所には行けないので、伝えられないのが残念です。


でも、どうしましょう。私にはつくられた意味がなくなってしまった。

先生、私はどうしてつくられたのですか?

魔王がいなくなってからは、とても平和でやることがありません。

どうすればいいのですか?

エネルギーは日光で充分ですし、先生と一緒に暮らしたこの家もピカピカです。汚す人がいませんからね。

毎日、悩んでいます。先生がいなくなって、魔王が倒されてからずっと。













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