(四)-3(了)
すると、黒塗りのミニバンが到着した。中から柄の悪いシャツに背広の男が二人降りてきて「お迎えに上がりました」と言った。
白沢は「誰だ、お前たちは」と尋ねた。
「電話で聞きました。新しい頭(かしら)が今日、ここに着くと」
すると今和泉警部が、一個のガラケーを男の一人に渡して言った
「お前らのボスからの伝言だ。お頭は今は会えない。今後はこれで連絡するとのことだ」
「俺らの組長をどこへやった」
もう一人の男が警部に凄んだ。
「とっとと帰れ。俺はそれを伝えに来ただけだ」
警部がそう言った。すると二人の男は黒のミニバンに乗り込んでペッとツバを地面にはきかけてからスライドドアを閉めた。そしてミニバンは走り去った。
警部は「頼むぞ、新しいお頭」と言って白沢の背中を、ポンと叩いた。
(了)
新しいお頭 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi
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