(二)-15

 幸いこの日のパトロールは、特に異常はなかった。黒のミニバンには相変わらず尾行されていた。

 入野は問題ないとは言うが、明らかに怪しかった。この日はパトロールを終えて署に戻ってくるときまで一緒だった。

 そして夕方、二人で退勤した際に、入野に「うちにくるか?」と白沢は聞かれた。

 断る理由はなかったし、入野の奥さんにも一度会ってみたかったので承諾した。

 入野の家は川居町から深野方面へ行った旧華園町の国道から一本路地に入った所にある古い平屋建ての一軒家だった。

 途中コンビニに寄って酒とつまみや総菜などを買って、入野家に来た。

 玄関の鍵を空けて入野はドアを開けて中に入った。中は明かりがついていなかった。


(続く)

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