(二)-6

 翌朝、捜査会議が行われたが、捜査に進展はなかった。昨日と同じく、白沢と入野はパトロールに出た。

 まず、JRと私鉄二路線が乗り入れる川居駅の周辺をゆっくり見て回り、その後、その南の山間部の方にある織原金属へと向かった。

 今日はパトカーのハンドルを白沢が握っていた。川居町は白沢の出身地でもあったが、行ったことがないエリアも含めて土地勘を養うため、運転手を買って出たのだ。

 駅の周辺は住宅地となっている。比較的人口の多いエリアだ。そこから荒川を渡り、南へと車を走らせた。沿道には民家が建ち並んでいたが、一〇分も走らせると、畑の中に民家が点在するエリアになった。そして丘や山が増えて、森も見えるようになった。


(続く)

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