第58話

 意外な人達とは、ジャストミートパーティーである。


 「あれ?ソウダイじゃね?」


 「おう!ファイアー!元気か?」


 「ここにいる時点で、元気じゃないだろ(笑)地竜と戦ったら、勝ったけど。全員病院送りに、されちまった(笑)」


 「地竜!スゲーな!俺も、戦ってみたいけど。強かったか?」


 「ああ、アレは竜って言うだけあるぜ!火を吹くし!土の魔法も使ってくる。俺達に、飛べる奴が入れは違うんだろうがな」


 「へー。戦って見たいけど。俺じゃ無理だろうな(笑)」


 「そこのモリスさんがいれば、楽勝だろ?」


 え?この人そんなに強いの?

 マジカ?


 「ファイアー殿は、冗談がお好きなようで。ソウダイ様こちらに」


 話を切り上げ、行こうとするが。

 「待ってくれ!ファイアーのメンバーは、全員いるんだろ?先に、5人を治療したいんだが?」


 「え?お前、治せるのか?」


 「多分行けると思う!どこにいるの?」


 モリスさんの、許可なく。

 ジャストミートパーティーがいる部屋へ。


 「オッス!」


 「確か、ソウダイだったか?見舞いなら、手土産持参じゃないのか?(笑)」


 「もっと良いものだ!取り敢えず手出して」


 訳もわからず、タロウは両手を差し出す。

 見た目には、怪我してるかわからないが。

 両手を掴み、治療と念じる。


 「もう治ったから、退院だな!」


 「何を、言っているんだ。医者から、退院まで。あと1か月てさっき…」


 話してる途中に、タロウは脇腹付近を触る。


 「痛くない!あれ?どう言う事???」


 かなり不審気味に、立ち上がると。

 「ソウダイって、噂のセイナンなの?」


 「正解だけど、その名で呼ばないで欲しい!」


 「マジカ!タロウ良かったな」


 「ああ。ありがとう。なら、3人もお願いできるか?」


 同じ部屋にいた、3人も治療する。

 忘れていたが、ファイアーも(笑)


 「ありがとな、ソウダイ」


 「「「ありがとうございます」」」


 「所で、何でモリスさんといるの?」


 「兵達の治療を、頼まれてな」


 「ソウダイ殿。そろそろよろしいかな?」


 「すまない、待たせてしまって。じゃあな、ジャストミートパーティー」


 挨拶を済ませ、モリスさんに言われた部屋に入る。


 「タロウ、お前の傷。呪いもかかってなかった?」


 「ああ、1か月後に。呪い専門の治療師が来るまで、歩くなと言われていたが。治ってるな」


 「あいつの今後は、大変だな。そのうち奇跡の人とか、呼ばれそうじゃん(笑)」


 「まぁ、困った事になるだろうし。その時は、助けてやろう」


 基本呪いは、魔物から受ける。

 魔物の血が、原因だとも。

 特殊スキルだとも、言われている。

 治すには、呪い専門の治療師がいないと治せない。

 それに、聖水が無いといけないし。

 バカ高い金額も、請求される。


 そんな事は、知らないソウダイは。

 今後、色んな人達から狙われるのは当たり前で。


 2人は、何かあれば助けようと心に誓うのであった。


 「まず、こちらの10人を頼みたい」


 「了解だ!」


 言われるがまま、治療する。


 この部屋は、目に包帯をする人達がいた。

 部屋ごとに、違うのだろうか?

 疲れること無く治療が、終わり。

 次の部屋へ。


 「この部屋は、腕や足を失った者達がいるが。大丈夫であろうか?」


 「多分行けると思うよ」


 30人以上いる気がするが、気にせず。

 どんどん治療して行く。

 その光景が、異常過ぎて。

 看護婦も、医者も。

 ビックリしすぎて、言葉も出せずにいた。



 「これで、全員かな?」


 「まさか、手足が生えるのを見る事になるとは。長生きは、するものですな。それに、治療する時手足が光ったような?」


 「一応、前に治療した時。眩しいと、意見があったので。光らないイメージで、やっているが。イメージしないと、毎回光ってしまうし。光ると神様扱いされるのでね」


 「そうでしたか、皆喜んでおります」


 「疲れないし、別に構わないよ。俺としては、この病院にいる全員を治療したいんだけど。いいかな?」


 「勿論!是非、頼みたい」


 「よし」


 と、気合を入れて治していく。


 次から次へ、治していく俺に。

 やはり、神様と呼ばれる。

 俺は、疲れないし。

 消耗した、感じもしないし。

 自己満足で、やってるから。

 気にしなくていいのに。

 俺の、スキル。

 走経験値より、この治療の方がかなりチートだよな。

 どうなってるんだろ?

 サリーの言う通り、簡単に取得できるスキルじゃ無いだろうし。

 まぁ、考えても答えは出ないし。

 気にせず、治療して行く。


 「これで終わりかな?3階も2階も終わったし。もしかして1階もいる?」


 「いえ。1階は、おりませんが。実は、地下に奴隷となっている人や。手遅れの者達。あと悪魔達もおります」


 「よし!次は、地下だな?」


 「ですが、治療を望まない者もおりますので…」


 え?治療を望まない?

 どゆこと?


 「治療されると、奴隷として。売られてしまうので」


 「一応。案内してもらえる?」


 「わかりました」


 無言で、地下に続く階段を下る。


 近くの部屋を開けると、腐った匂いがする。

 吐きそうになるのを、我慢して。

 入り口側の、ベットに近づくと小さい子供が3人。

 1つのベットに、寝かされていた。


 「こんにちは」


 3人に話しかけるが、反応が無いので。

 1人ずつ。

 そっと触り。

 強く!

 治療と念じる。

 光ると、驚かしてしまうので。

 光らないようにも、イメージするが。

 目をつぶっている俺でも、眩しく感じた。

 目を開けた時。

 肌が、腐っているように黒く見えた3人は。

 肌色の肌に、戻る。


 ここに来て、立ちくらみを感じてふらつく。

 「ソウダイ殿。大丈夫か?誰か、呼んでくるか?」


 「モリスさん。すみません。俺は、大丈夫ですが。この子達を、医者に見て欲しいので呼んで来て貰えますか?」


 「承った。しばし待て」


 そう言って、モリスさんは部屋から。

 出ていったが、他にも同じ症状の人がいたので。

 治療して行く。

 治療しても、意識が戻らないので。

 不安だが、俺に出来る事は治療魔法を使う事。

 後は、専門家に任せる。


 前世でも、医療知識はほぼ無いので。

 仕方ない。


 肌の色が戻れば、治ってると思うし。

 あんだけ光るなら、効果が出ていると思う。


 この部屋の最後の1人は、高価そうな服装の女性だった。

 手など、触れば崩れ落ちそうに見える。

 ゆっくりと頭を触り、良くなれ!元気になれ!

 そう念じていると、光ではなく真っ暗?と感じた後。


 俺は、倒れてしまった。

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