英雄に憧れて、ダンジョンで潜りまくってたらいつの間にか英雄呼ばわりされていました。
78姉さん
第1話 英雄の通過点【パッシング・ポイント】
「おじいちゃん、僕強くなっておじちゃんよりも立派な男になるんだ!」
「おぉ、そうか強くなれよ。でもワシよりいい男にはなれんぞ。なんと行ってもワシ
が一番じゃからな。」
「もーずるいー。」
まどろみの中からなんとか抜け出し、さっきの会話が夢だと気がついたのは5分後のことであった。
何年たっおじいちゃんただろう。あのとき俺が10歳だから……。うーんと、約5年か。俺は、もう5年も立つのかと時の流れを感じた。あのとき交わした約束は今でも覚えてる。5年たった今でも俺の意思は変わらない。
おじいちゃんよりも強くなって、おじいちゃんよりもいい男になる。これが俺にすべてを託して、天界へと翼を広げたおじいちゃんへのせめてもの慰めだと思うから。
そんな独りごちた妄想に浸っていたとこをルーシェアしているソール・バレンシアガ がやりを投げてきた。
「ヴァリ?寝ぼけてるの?」
「ん、あぁ、いや…考え事をしていただけだ。気にしなくていい。」
「そうね。そうしとく。」
「あ、そんなことよりも早く準備して!もうすぐ仕事の時間なんだから!」
「あっ…やべ、忘れた。あと何分だ?」
「あと10分。とにかく急いで!急いで!」
こうして俺は、いずれ英雄と呼ばれるまでの一本の長い道のりを一歩その足を前に踏み出した。ここはまだ通過点なんだから。
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