悲しみを捨てられる場所

俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き

悲しみを捨てられる場所

悲しかった。


ただひたすらに「哀」その感情が私を支配していた。


涙は一粒もでなかった。


ただひたすらに、胸に穴が空いたように悲しかった。


喜怒哀楽。その四字熟語がバカバカしくなるほどに、悲しかった。


理由は、分からない。

でも、月に1回こんなふうに悲しさに蝕まれる。


霊的ななにかと思って、お守りを買ったこともあった。

それでも悲しさは晴れなかった。


なんでなんだろう。


好きな人に振られたわけでもない。

というか、そもそも恋なんて生まれてこの方したことがなかった。


勉強だって、それなりにできている。

赤点も取ったことはない。


進路だってそれなりに決まっている。

ぼんやりとだがやりたいことがあって、ぼんやりとだけど志望校が決まり始めていた。


家族だっている。

ちょっと変なところもあるけど、皆優しくて仲もいいと思う。


こうやって思ってみたら、悲しくなる理由なんて見当たらない。

なのに朝起きると、何故か枕が濡れていることがある。


起床時には涙なんて微かもでない分、睡眠時に泣いているのだろうか。


このどうしようもない悲しさは病気なのだろうか。

だとしたら治療法を教えてほしい。


特効薬なんて言わないから、地道にでも改善できる方法を教えてほしい。


幸いなことに今日は休日だ。

病院の場所さえ教えてくれれば、今からでも行くのに。


はぁ


ため息なんて吐き飽きた。


悲しさはどうやってもぬぐえない。

その場しのぎにお笑い番組をみても、溢れるのは乾いた瞬間的な笑みだけ。


人間なんにでもなれがくるはずなのに、この痛みだけはなれる気配がなかった。


もう、どうしようもない。


私はでない涙の代わりに、多めに目薬をさして、布団に潜り込んだ。


今は乾いているこの枕も、明朝には、湿っているのだろうか。


答えのでない問とともに私は、現実からログアウトした。

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