第158話三人のおじさん

中に入るとふかふかな絨毯にまず驚く…歩くとふさっと音がしそうなほどぶ厚い!


しかし小さい体には歩きずらかった。


下に気をつけながら歩くと前に大きな円卓のテーブルがある。


そこには三人のおじさんが座っていた。


真ん中にニコニコと笑ったおじさん…目尻にシワがあり優しそうな印象だった。


右には対照的にムスッとしたおじさん…髪がオールバックでなんかきっちりしてそう。


左には少しぽっちゃりしたおじさん、暑くもないのに汗をかいていてそれを必死に拭いている。


そしてその後ろにはメガネをかけた秘書の様な男の人がいた…


ファイ王子がテーブルの空いてる椅子に座ると…


「では…来たようなので、そこのあなた、椅子に座りなさい」


後ろにいた秘書の様な男の人が私に向かって喋りだした。


そこのあなたって私だよね?


「早くなさい」


冷たく言われて慌てて椅子に近づくが…イーサン様の屋敷の椅子と違って高い…よじ登らないと座れなそうだ。


「何をしてる…」


イラッとした声がすると…


「小さいから座れないんだろ。どれ私が座らせてやろう」


真ん中の優しそうなおじさんがメガネ秘書に声をかけて立ち上がった。


「オバジ様!それなら私が…」


真ん中のおじさんはオバジ様と言うらしい…メガネ秘書がオバジ様がやるなら自分がと近づいてきた。


「全く…椅子にも座れないなど…これだから子供は嫌なんだ…」


ボソッと呟きながら乱暴に椅子に座らされた。


「おい!ロードまだ小さな子供だぞ!優しく扱うんだ!」


ファイ王子がすかさずに注意しくれた。


「申し訳ございません…ですが椅子にも座れない子供に話を聞く必要などありますか?この時間が無駄だと思うのですが…それなら他の者に話を聞いた方が…」


全く悪びれる様子もなく先程の位置に戻って行った。


「ロードの意見には私も同意だ、子供の証言など当てにならない」


オールバックおじさんがジロっとこちらを睨む。


「まぁまぁ、とりあえず話を聞いてみてから判断致しましょう」


汗っかきおじさんが私をみてニコリと笑った。


「そうですね…まぁ無駄だと思いますが…」


メガネ秘書…もといロードさんがこちらを見た。


「名前くらいは言えますよね?」


むかっ…


「はい、ミラと申します」


ペコッと頭を下げた。


「歳は?」


「ちゃんとした歳はわかりませんが…多分四歳です。イーサン様に引き取っていただき養女として迎えられました」


「イーサン!最近巷で流行っているミラージュと言う店のオーナーですね!いやぁあの店は美味い!」


汗っかきおじさんがウンウン頷く。


「ありがとうございます。おじさんも来たことあるんですか?」


私はお店を褒められて嬉しくて思わず聞き返してしまった。




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